女の子なら誰でも一度は没頭したことがあるはずの手芸。その難しさがわかるからこそ、手練(てだれ)の技をもつ編み師203gowさんのイマジネーションのすごさは、羨望の眼差しどころか尊敬に値します。

彼女の職業は「編み師」。自身のブログの中でも「人間編み国宝 編み師203gow」と名乗るほどで、その自信に裏付けされた、すごい作品の数々を披露しています。

彼女の編み物作品は、とってもユニークでアートそのもの! 編む技術もさることながら、テーマが大変に個性的です。たとえば、あらゆる生物を模した「ゆるキャラ」たちを始め、ねば~っと糸がひいた納豆、卒業証書(筒付き)、水道の蛇口+水、電気のスイッチというふうに、本来であれば編む対象になどならなかったはずの生活用品や食べ物などが、リアルにイキイキとニットで再現されるのです。

その活動と作品は、海外のニュースサイト「CNN」でも取り上げられ「ザ・ソーシャル・ニットワーク~ゲリラ編み師は東京を陣取る!」という記事が掲載されるほど!

いったい、どうしたらこんなにもユニークな作品が出来るのでしょう? 編み師203gowさんにインタビューしてみました。

Q1. いつ頃から編み物に興味を持ち、編み始めたのですか? またそのきっかけは?

「かれこれ14~5年は編んでいます。最初は、たまたま家にあった毛糸をなんとなく編み始めたのがきっかけです。小さな頃から絵を描いたり、切ったり貼ったりする工作などが好きでしたが、編み物は特に気にもとめていませんでした。本格的に編み始めたのは、19歳か20歳でしょうか……編み方さえ知らずに始めたので、当初は作品とはいえない仕上がりでした。 一番簡単な編み方を3つ覚え(輪編み、こま編み、長編み)現在も主に『こま編み』オンリーな作品ばかりです」

Q2.ユニークな作品の数々はどうやって生み出されたのですか? 突然インスピレーションが湧くのですか?

「自分が面白いと思ったモノやカタチを編んで作品にします。日頃から常に編み物のことを考えていて、街を歩いていたり景色を眺めたりして、世の中を「編み物の目」で見ています。ほかにも図鑑や、写真などを実際に見たり、人の意見なども参考にしたりして一気に編みます。編む前にイメージを作る場合と、編み進めてからカタチにする場合とパターンは様々です」

Q3.現在「編み図」を勉強しているようですが、編み物の本を見て作ることはありますか? 

「『編み物の本』は見ません。それよりも、様々な写真集や図鑑やアート本の方が私の編みには、参考になります。細かな編み図を見て編むことに慣れておらず、読みながら編み進める度に、めまいがして具合が悪くなります。編み方だけ習得して、あとは見ないのです」

Q4.今後の活動や、やってみたい夢はありますか?

「5つあります。ひとつは、編み物で世界中を笑わせたり、驚かせたりすること。ふたつ目は、人間国宝「編み師」を目指すこと。3つ目は、2010年に立ち上がった「編み奇襲団」(Guerrilla Knitting)を、もっとカタチにしていくこと。4つ目は、まだまだ編みたいと思うモノを形にすること。5つ目は、電子部門と編み物の融合(動き、音、光など)です」

ちなみに「編み」のこだわりは、一筆描きの要領でなるべく糸を切らずに編み進める「一筆編み」を実戦することだそうです。「遠回りになる場合もありますが、とても効率がよく仕上がりも奇麗です。一筆編みは、時に不可能な場合もありますが編んでいてとても楽しいのです」とのこと。難解な知恵の輪をひとつひとつ解いていくような醍醐味が、そこにはあるのかもしれません。

「編み物の本」を見て作るのではなく、ビジュアル的なモノやストーリーから作品を生むということの難解さ。それを難なくこなす彼女は、まさに天才・編み師。今後ますます彼女の活動から目が離せません。
(記者:Shizuiki / 文責:Pouch)

参照元:ブログ「編師203gow」 (http://bit.ly/eAlvPU

▼不思議な編み物大集合!

▼編みなっとう★ Japanese food “Natto”

▼卒業証書

▼ちょっとレトロな電気のスイッチ

▼学校にあった水道の石けん+水度蛇口+水

▼小惑星探査機「はやぶさ」

▼日本の街中を編み物で覆う-編み奇襲団のプロジェクト!
(2010.10.11東京・恵比寿ガーデンプレイスにて)

▼ Curry Girl(カレー少女)

「インドカレーをひっくり返してしまったお陰で、インドカレー神の逆鱗に触れ呪いをかけられてしまう。自分のこぼしたカレーと銀食器とナンが頭を包む。”そそう”する度に、呪いが増す」(ブログより引用)

▼貯金箱(装着型/編み師203gowさん)