日本人に馴染みの深い、魚の加工食品、蒲鉾。白身魚のすり身が主原料で、全国各地にさまざまな形状のものが存在しています。北海道から沖縄まで、その土地の風土を反映し、各地の食文化を支えているのですが、愛媛県の南予地方に他県にはない、珍しいかまぼこが存在するのをご存知でしょうか。そのかまぼことは、なんとけずり蒲鉾です。お馴染みのドーム型でもなければ、筒状のものでもありません。その名の通り、削り出したかまぼこなのです。

けずり蒲鉾は、愛媛県の南予地方、八幡浜市や西予市の特産品です。現在はテレビなどでも、取り上げられることもあるようですが、元々はごく一部の地域で作られていたのだとか。冷蔵庫のない時代に、かまぼこを日持ちさせるために、一度乾燥させ、それを削って食べていたのだそうです。

まずは見た目ですが、ピンクがとても鮮やか。ふわふわとしてまるで綿菓子のようです。匂いはかつお節に近い感じ。魚を乾燥させた香ばしい匂いがします。ひとつまみ食べてみると、これがなかなかの美味。口いっぱいに魚の風味が広がります。

ご飯にのせて海苔を散らし、しょうゆを一滴たらすと、もう申し分のないご馳走に。あっさりとお茶碗一杯分を食べてしまいました。このままお茶をかけて、お茶漬けにしても良し、ラーメンやチャーハンにのせても、バッチリ合いそうです。

けずり蒲鉾はネット通販でも購入できます。30グラム入り1袋が、260円。赤白2色あるようです。興味を持たれた方は、是非一度、お試しあれ。キャラ弁作りにも重宝しそう。

(記者・写真:佐藤英典)

参考元:八水蒲鉾株式会社 (http://bit.ly/hRIijq