以前、「被災してはいないのに、調子が悪いのはなぜ?」という記事で、多くの人が精神的ショックから体や心の不調を感じているということをお伝えしました。

4日付け「日本経済新聞電子版」でも、比較的被害が少なかった首都圏住民の間で「1人で外出するのが不安」、「眠れない」といった心の不調を訴える事例が相次ぎ、うつ病患者の症状が悪化する傾向も見られるという内容の記事が掲載されています。

「病は気から」ということわざにあるように、心が折れると具合まで悪くなってしまうことがあります。被災地の方々に思いを寄せ、支援するのは大切なことですが、あまり考えすぎて体調を崩していては日常生活に支障をきたしかねません。

それでは、どのように震災後のセルフケアに取り組めばよいのでしょうか。自然災害や人的災害に巻きこまれたときに、大人ができる子どもたちの心のケアについてまとめた日本小児科医会のリーフレット「もしものときに……子どもの心のケアのために」では、大人のセルフケアについても触れられているので一部をご紹介したいと思います。

【大人のセルフケアに必要なこと】

1.信頼できるパートナーを持つ

2.自分の限界を知る(頼れる人や関係をもつ)

3.自分のペースを守る(頑張りすぎない)

具体的には

●地域のネットワークに参加して情報を共有し、孤立しないようにする

●信頼できる人に体験や気持ちを話す

●適度に運動する

●十分に睡眠、栄養をとるように心がける

●好きな音楽を聴いたり、入浴するなどリラックスする時間を大切にする

(引用以上)

衝撃的な事態に遭遇すれば大人でも、不安や恐れを抱くのは正常な反応だとリーフレットに書かれています。子どもの心のケアに関しては、幼児期、小学生、中・高校生ごとの項目ごとに細かく説明されており、「心の安全の確保」についての説明や「専門家の援助が必要な場合」等を含め、災害後の手引きとして活用できる充実した内容となっています。

日本小児科医会ホームページよりダウンロードすることができるので、お子さんがいらっしゃる方はもちろん、心身の不調を感じている方は一読してみることをおすすめします。

(文:sweetsholic)

参照元:社団法人 日本小児科医会(http://bit.ly/ibeP0e