茶所として知られる島根県の松江市。同市は茶の消費量は全国平均の5倍、茶菓子の購買量は全国一であることをご存知でしょうか。松江藩七代目藩主の松平治郷(不昧公)が茶文化の振興に尽力し、現在に至るまでその伝統が受け継がれています。

歴史ある茶文化の育まれた山陰で、お茶好きに愛され続ける隠れた銘菓があります。それが生姜糖です。砂糖菓子に生姜を溶かし込んだ上品な風味の逸品は、お茶だけでなくいろいろな飲み物との相性抜群。意外に牛乳とも良く合うのです。

生姜糖は、全国各地で生産されています。とりわけ有名な地域は、2つの都市が挙げられます。ひとつが三重県の伊勢市、そしてもうひとつが島根県の松江市です。厳密には松江市で販売されているものではありますが、全国的に知られているのは、出雲市の「来間生姜糖本舗」です。

生姜糖を発案した来間屋文左衛門は、1715年に初めて生姜糖の製造に成功。以来、一子相伝で製法を守り続けたそうです。その味は繊細かつ上品。ひと粒口に入れると生姜の香味が広がり、その後を甘さが追いかけてきます。熱めのお茶が欲しくて堪らなくなるはず。

緑茶だけではなく、紅茶やコーヒーとも良く合います。ホットミルクと一緒に飲めば体がほんのりと温まるので、寝る前に最適です。風邪を引いたときには、玉子酒代わりにもなるでしょう。

販売価格は1袋460円、インターネットでも購入が可能です。500円以下でとても上品な茶菓子を楽しめるのは、贅沢ではないでしょうか。生姜糖のおいしさをご存知ない方は、是非一度ご賞味あれ。やみつきになります。

(文、写真=佐藤英典)

参照元:来間屋生姜糖(http://bit.ly/kd6IYg