フィリピンで取材をしていた蒸し暑い日の午後、柑橘系の味が恋しくなった記者は、南国フルーツを購入することにしました。マンゴーやパイナップルなどの果物売りの中で、人だかりができている一角を発見。

地元の人に尋ねてみると、この果物は「サントール」という東南アジア原産のトロピカルフルーツの一種で、酸味があっておいしいとのこと。そのまま味わうだけでなく、ジャムや料理にもよく使われるのだそうです。地元の人の間ではかなり人気のある果物だということで、購入してみることにしました。ちなみに値段は3コで20ペソ(約38円)。

サントール売りのおばちゃんによれば、塩と唐辛子をブレンドしたスパイスをつけながら食べるのだそうです。なぜ塩をつけて食べるのか疑問に思いつつかじってみると、あまりの渋さ、あまりの酸っぱさ、あまりの衝撃に口がおかしくなりそう……。例えるなら、レモンと渋柿を同時に齧ってしまったような味。

食べ進めていくうちに中から白い物体がでてきました。こちらはマンゴスチンのように、軽やかな甘みと酸味が優しい味。地元の人たちに人気の理由がイマイチよく分かりませんが、衝撃的な体験ができるのは確かです。

(文、写真=横山ローズ)