『格闘技が好きなオンナはオトコにモテる』という都市伝説を検証すべく私が向かったのは、6月26日(日)高田馬場・ALAISEにて開催された『EXIT-78 UNKNOWN』。

格闘技に限らず、野球でもサッカーでもプレステでも、男子が好む類のものに造詣が深い女子は、「おっ、ハナシのわかるコだ」と一目置かれ、そこから恋に発展することもあるらしい、という通説は有名ですよね。しかも『EXIT-78 UNKNOWN』は、バーの中に鎖を張ってリングを設け、試合後は選手を交えてのパーティーも催されるという、ちょっと変わったシステムになっています。

出会いを求める恋活女子にとっては超・好都合! 現地での出会いでなくとも、意中のカレをこういったイベントに誘って、格闘技についてのうんちくをブリッコしながら聞きまくり、試合後のパーティーでは「もっとプロレスのこと知りた~い」などとこじつけ、そのままベッドの上のプロレスへ持ち込む……という作戦は、果たして成立するのでしょうか?

淡い期待に胸弾ませながら会場に入ったところ、場内は生粋のプロレスファン、いやプロレスヲタクといっていいくらい、熱意を持って観戦に臨むオジサマで超満員! 女性客も来ているのですが、「格闘技を恋活に利用しよう」などといったよこしまな考えを持っていそうな雰囲気ではなく、彼女たちもオジサマファン同様に純粋なプロレスファンといった様子。

こういった空気に包まれると、とたんに「格闘技を恋活に利用しよう」という考えを抱いていた自分が恥ずかしくなってくるものです。というわけで、急きょ恋活検証は中止し、試合に集中することに致しました。

プロレスを観るのは初めての私。まず興味を持ったのが、選手が入場する際のテーマ曲や衣装です。カッコイイ洋楽を使っている選手もいれば、パロディ系の音楽で観客を沸かせる選手もいます。また、ド派手な衣装で強烈なインパクトを放つ選手もいれば、シンプルイズベストな格好の選手もいて、まさに十人十色といったところでしょうか。それらを見てふと気付いたのは、「恋愛と似ているなぁ」ってことです。

恋の始まりも、さながらドラマのヒロインのように自分を演出する方法もあれば、面白いコだなぁと思わせる方法もありますよね。インパクト勝負で自分をアピールするも良し、自分が動きやすいやり方で進めていくも良し、恋をスタートさせるのも、工夫次第で色々楽しめるんだなぁということです。

試合にも、恋愛のヒントになる箇所がたくさんあります。選手同士の探り合いが続いてなかなか組まず、客席から「攻めていけよー」と声が飛ぶシーンもありました。恋愛においても、友達から「とりあえずゴハンに誘ってみなよー」と言われてしまうことってありますよね。

そして、プロレスは攻撃だけじゃなく受け身も大事! 恋愛も、攻めるばかりじゃなく、受け身も上手なオンナでなければなりません。3歩進んで2歩さがる、といったところでしょうか。また、大技が得意な選手もいれば、技巧系の小技を積み重ねて攻めていく選手もいます。これは、自分が得意な手法もしくは、相手によって手法を変えるという恋愛テクに応用可能です。

それにしても、鍛えぬかれた選手の肉体って、なんと逞しくカッコイイのでしょう! 「嗚呼、こういう肉体の殿方とベッドで対戦してみたい……」と、結局よこしまな妄想に走ってしまう私ですが、イケメン選手の名前を思い出そうとプログラムを広げたところ、ここにも恋愛のヒントになる重要なポイントが隠されていました。それは、選手のリングネームです。

プロレス界でも、イケメンにはやはり『○○王子』というキャッチフレーズが付いているものなのですね。ハンカチ王子もハニカミ王子も洗濯王子も、どの業界でも『王子』と呼ばれる人は皆、生まれながら王子キャラの方々ばかりです。

対して、王子キャラでない選手は、これまたそれぞれのキャラにピッタリのリングネームを名乗っています。恋愛においても、自分のキャラを自覚することってとても大事です。お姫様キャラでもないのに、どこぞの国の姫君のように振舞うなど、自分自身のキャラを勘違いしてしまわないよう注意しましょう。

(ライター=菊池 美佳子)
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