8月8日放送フジテレビ系「SMAP×SMAP」。ビストロスマップのゲストにモノマネタレントの青木隆治を迎えて、彼の素晴らしいモノマネ技の数々を堪能した。

七変化どころではない青木のモノマネレパートリ―は、そのどれもが完璧のひとこと。単なる「雰囲気で似せた」だけのモノマネではなく、「憑依した」とさえいえる彼のモノマネ技巧には、ある秘密があった。

青木がモノマネを習得する方法としてまず挙げたのが、「音源を聴いてそのままを再現する」というもの。声を習得したあとは、そのアーティストのライブビデオなどを観て、動き方を習得するのだそうだ。これで完全コピーができるのだという。

一度耳にした曲はそのままの形で自分のなかに入ってきてしまうという青木は、モノマネするつもりがなくても、その曲を歌う時どうしてもモノマネのようになってしまうらしい。たとえば、大勢で歌う手法「ユニゾン」のタイプの曲だとしても、一番聴こえてくる声をマネしてしまうのだという。

そんな青木は過去に一度、耳や声などモノマネ習得時に必要な部分も含め、自分の体を病院で調べてもらったことがある。そこで明らかになったのは、青木が持つ人よりはるかに優れた身体能力だった。

「僕は、どちらかの耳では高温が人の5倍聴こえて、もう片方の耳では低温が人の5倍聴こえているらしいです」青木はさらりと言うが、これは凄いことである。この優れた聴力のおかげで、聴いた声をそのまま再現できているというわけらしい。

だが声を再現するには、耳だけでなく、「歌がうまいかどうか」という根本的なところも必ずクリアしていなければならない。もちろん青木は、ここもすんなり合格。なんと4オクターブの音域が出るらしく、その際はのどぼとけを上下に動かして音程を調整しているのだそう。この音域があるから、男性の曲も女性の曲も原曲のキーそのままで歌えているのである。

その後中居正広のムチャぶりで、木村拓哉のモノマネを振られてしまった青木が練習なしで歌った「夜空ノムコウ」。突然ということもあり木村にはあまり似ていなかったが、やはり驚くほど歌が上手かった。それは、木村自身も「俺こんなに上手くねえよ」と思わずつぶやいてしまうほど。聴力に優れ、尚且つ歌唱力があるということは、アーティストたちをモノマネする上で、非常に重要なことなのだと改めて思い知らされたSMAPなのであった。

(文=田端あんじ)