19日夜放送の「鳥人間コンテスト」(日本テレビ)に出場した、東北大学「Windnauts」パイロットの中村拓磨さん。被災地の思いを乗せ、ここ一番の健闘を見せた。さらに、フライト中の彼の熱いセリフが、お茶の間に爆笑と感動をもたらせたとしてネット上で話題になっている。

彼の飛行は波乱だった。最初、順調に風に乗るも、GPSと無線の故障で外部との交信が途絶え、位置を見失ったまま強い風に流され大きく迂回。まさかの逆走をするというアクシデントに見舞われたのだ。

応援者らもこの様子に頭を抱えるなど、誰もが最悪の事態を想定していたのだが……。

ところが、奇跡は起こる。彼のド根性でフライトが立ち直り、正常な進路に戻ったのだ。このとき既に体力は半減していたにも関わらず、最後の力を振り絞りながらも去年の優勝校よりも長い、約19キロ近い地点まで到達し優勝した。

フライト中の中村さんの主なセリフは、物語のヒロインが叫ぶような情熱の叫びで、視聴者らに爆笑と感動を与えてくれた。

・GPSが無いと俺は運転も出来ないのかよ
・エンジンだけは一流のところ見せてやるぜ
・フルパワーだぜ 信じらんねぇ
・対岸は見える、でもこれじゃだめなんだろ?
・もう半分くらいの体力を使っている 帰ってこれるのかこれで
・悪いね へぼパイロットで
・俺の人生は晴れ時々大荒れ いいね! いい人生だよ
・風を 風を拾うんだ
・(風に)押されてる 分かってる!
・左足がつってる!!うぅうわあああ!!
・片脚だけで回すのは…右も限界に近い
・あっ あ~!! 動け~っ!!
・あああ足がああああ!! うっっごけええええ!!
・ああー! 痛いっ!
・回れ! 回らんか~!!

ネットでは、「これぞとり人間!」「かっこ良い」「感動して泣いた」「いや、すごかったわ……」「いろんな意味で最高だ」「近年まれに見る素晴らしいフライトだった」「感動と爆笑をありがとう」など賞賛の声が上がっている。

迂回した距離数も含めると、なんと35キロもフライトしていたことになる。誰もが認める素晴らしい記録と素晴らしいフライトだったが、彼は悔しさを滲ませ「クソーッ!! まだまだ飛びたかった」と声を張り上げながら悔し泣きを見せた。近年稀に見る、実に清清しいフライトだった。

(文=ricaco)