ココナッツは、東南アジアや南米、アフリカなどの熱帯気候地域を代表する食材のひとつ。これらの地域は生乳作りに適さないため、お菓子作りにはもちろん、料理にも生クリーム代わりにココナッツミルクを多用します。

ココナッツが大きく成長する前のヤング・ココナッツの果肉は真っ白で、スプーンでもすくえる程のやわらかさ。このヤング・ココナッツをたっぷり使用したパイが、現地では「Buko Pie(ブコ・パイ)」として知られるフィリピンを代表する銘菓です。今回はこちらのお菓子をご紹介したいと思います。

フィリピン語でヤング・ココナッツを意味する「ブコ」と英語の「パイ」が合体したこのスイーツは、ヤングココナッツのシャクシャクとした歯触り、サクサクとしたパイの食感、そしてココナッツの優しい甘みが一体となって、いくらでも食べられそうな味! ココナッツミルクを使用したお菓子は「激甘」ということも多いのですが、このブコ・パイはほどよい甘さが魅力です。

さて、フィリピンにはさまざまな「ブコ・パイ」メーカーが存在します。なかでも、地元の人たちの間で人気を集めているのが『Colette’s』というベーカリー。観光地として人気のセブ島を始め、避暑地として知られるタガイタイ、ダイビングスポットとして有名なバタンガス、そして首都マニラなどフィリピン国内に45店舗を構えています。写真のパイはホールで190ペソ(約350円)。バタンガスからマニラへの長距離バス内で購入したもの(フィリピンでは、バスに乗車すると車内販売の売り子さんも一緒に乗車してきます)。

ブコ・パイを食べる際のポイントとしては、「翌日からパイが湿ってくるため、購入した日に食べる」こと。ココナッツ好きの人は、ぜひお試しを。病みつきになるおいしさですよ!

(取材、文、写真=sweetsholic

参考:Colette’s