え? 女性向けファッション誌『SPUR』の表紙がイラストってどういうこと? と、書店で見かけて不思議に思った人も多いでしょう。

8月23日に発売された『SPUR』10月号は、モード好きもそうでない人も必見です。なんと、『ウルトラジャンプ』(集英社)で連載中の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』作者、荒木飛呂彦氏の超クールなイラストが表紙を飾り、これまでにない斬新なモード感を引き立てているのです。気になるでしょ?

「ジョジョ」は、国内外を舞台に、特殊能力を身につけた人間たちが強靭な敵に立ち向かうという壮大なストーリーで、1987年に『週刊少年ジャンプ』で連載が始まり、今では国内のみならず海外にも熱狂的なファンがいるほど。モード誌が愛読書の女性たちには、あまり馴染みがない人も多いかもしれませんが、世代や性別、国籍を超えて親しまれる有名な作品ということで、この機会に一度ご覧になってみるのも見聞を広める意味でも良さげですよ。

さらに同誌には、今年で画業30周年を迎えた荒木氏とブランド創設90周年の『グッチ』がコラボレーションをした別冊漫画『岸辺露伴 グッチへ行く』(全16ページ)の付録付き。グッチが漫画とコラボするなんて……と、また衝撃的ですが、それほど漫画へのハードルがなくなっている証拠なのかもしれません。

別冊付録では、「ジョジョ」でお馴染み、漫画家の岸辺露伴が登場します。ストーリーは、イタリアのフィレンツェ郊外にあるグッチ工房を訪ね、金目のものを飲み込んでしまうという奇想天外なバッグを修理してもらうというもの。話の節々にグッチの歴史などが散りばめられているので、ムリなくどんな人でもグッチ通になれるのも良いです。

本誌では荒木氏のインタビューページも。コラボの背景や荒木氏の思いが詰まっています。

モード誌と少年漫画誌、そしてハイ・ブランドとの不思議な融合。モードファンも「ジョジョ」ファンも、今回のコラボには驚愕していたのではないかと思いますが、荒木氏は「グッチを描くことには運命を感じた」そうです。確かに、荒木さんのイラストとグッチのファッション、違和感はゼロ。雰囲気も、かなり通ずるものがあります。さすが、世界の「ジョジョ」、世界の荒木。

これまでグッチに興味がなかった漫画ファンはグッチに興味を持ち、少年漫画などまったく見向きもしなかったモード女性たちは「ジョジョ」ファンに……という構図も夢ではなさそうです。ということで、「ジョジョ」女子、「スタンド」女子なんて言葉が流行る日がくるかもしれませんぞな!

(写真、文=めるりんこ)

▼『SPUR』10月号の付録は、日本の若手ファッションデザイナーズブランド
「ミナ ペルホネン」の扇子も付いてます♪

▼グッチ特集も充実。ラグジュアリーで、
超クールなファッションに「ジョジョ」ファンもため息?