10月3日放送フジテレビ系「SMAP×SMAP」は、秋の2時間半スペシャル。ビストロスマップのゲストには、今日本で一番売れている子役、芦田愛菜ちゃんと鈴木福くんをはじめとする人気ドラマ「マルモのおきて」の出演陣がにぎやかに来店した。

スペシャルということで、今回はビストロもいつもとは違う特別バージョン。ビストロの収録前に愛菜ちゃん福くんがSMAPメンバーと共に食材を調達してくるというロケを決行し、たくさんの採れたて新鮮食材が料理に使用されたのだ。このロケで男気を見せまくったのが、木村拓哉であった。その気合の入れようは「やっぱりキムタクは熱い男」という印象を再認識させられるほどの、ひたすら熱のこもったものだったのである。

食材調達にあたり、野菜を収穫するチームと魚を調達するチームにわかれた面々。野菜チームは愛菜ちゃん・稲垣吾郎・香取慎吾の3人。一方魚チームは福くん・木村・草彅剛の3人だ。

ちょっと変わった野菜が数多く栽培されている広い畑で、かくれんぼしながら野菜を収穫する野菜チームののどかさとは一線を画したのが、魚チーム。木村はもうここから熱さ全開だ。「これ全部、私物だから」そう言って用意してきた釣りざおは自分の分だけでなく、福くんと草彅の分もきちんと揃っている。

気合十分で挑んだ3人であったが、釣りは時の運。なかなかうまく事は進まず、開始1時間が経過しても1匹も釣れない。半ばあきらめモードの福くんと草彅。しかしその一方で、木村の闘志だけは静かにメラメラと勢いを増していたのである。

自他ともに認める負けず嫌いの血が騒いだのであろうか。なんと木村は「福くんとの楽しいロケ」がテーマにも関わらず、魚を釣るため単独行動を開始したのだ。「だって、ボウズ(釣り用語で全く釣れないの意味)で帰るわけにはいかねーだろ! 」

そう言い残して去っていく木村の背中は燃えている。それをあっけにとられた表情で見守る福くんと草彅。なんだろう、この温度差は。木村が熱すぎるのか、福くんと草彅にやる気がなさすぎるのか、もはや判断がつかないほど、木村の釣りにかける勢いは凄まじいのである。

「だってさー、何も釣れませんでしたって帰れないでしょ?」そう言いながら、一本釣りにとことんこだわり、ひとりもくもくと釣りに挑む木村。真っ黒に日焼けしながらねばってねばって、やっとのことで大きなスズキ2匹を見事に釣り上げたのである。魚との真剣勝負に勝った木村は、満面の笑みで福くん・草彅の元へと船を走らせた。

ところが、喜んで迎えてくれるはずの福くんの第一声は「え、これだけ?」という信じられないほどドライなものだったのである。だが、福くんは決して意地悪を言っているわけではない。実は木村の知らないところで、想定外の事態が起きていたのだ。

木村が去った後、福くんと草彅は早々に一本釣りをあきらめ、なんと投網漁に挑戦していたのである。投網とは網を投げて魚を採る手法で、腕がよければ一気に何匹も獲れる。これに挑戦した草彅は、初めてとは思えない腕前で大量の魚をゲットし、指導にあたった漁師に「名人」と呼ばれるほど大活躍していたのである。

そんなわけで、草彅と福くんのクーラーボックスは満杯状態。これには木村も、がっくりと肩を落とした。「最初から投網にすりゃよかったな」と寂しそうにつぶやく姿はちょっと可愛そうであったが、闘志と熱すぎるほどの男気は、本当にかっこよかった。きっとファンにとっては、「これぞキムタク」という姿をみることができた貴重な放送であったに違いない。

(文=田端あんじ)