日本から南へおよそ9000キロメートルの場所に位置するニュージーランド。ここははるか昔に大陸から切り離されて孤立したために独特の生態系が確立されています。

哺乳類がまったく存在しなかった島には、鳥類がさまざまな形で進化をしてきました。なかでも飛べない鳥キーウィは有名です。最近ではそのキーウィよりも注目されている、飛べない鳥が存在します。それは飛べない巨大なオウム、カカポです。

カカポの体長は約60センチメートル。体重はオウムの中では最も重い4キログラム台で、寿命は60年ほどあるそうです。

翼の筋肉が弱いので飛ぶことはできず、ニュージーランドに人間が住み始めてからは乱獲が進み、現在では地球上に131羽しかいない絶滅危惧種として指定されました。今では保護活動が進められています。

そんなカカポが一躍有名になったのはイギリスのドキュメンタリー番組が放送されてからのこと。取材陣がカカポ保護地域である森林に入り、カメラマンの男性がシャッターを切ります。

ファインダーの先には緑色の大きな鳥、カカポのシロッコ君がいます。顔はセキセイインコに似ていて、体はウズラを何倍も大きくしたようなずんぐりむっくりとした体系でとっても太っています! シロッコ君はゆっくりとカメラに近づくと、じっとカメラマンを見つめます。そして急にカメラマンの腕から肩へ、そして首に乗り、両方の翼をパタパタとカメラマンの顔に打ち付けて遊びます。その表情はとっても楽しそう。

シロッコ君は雛のころから人間の手によって育てられたので、自分のことを人間だと思っているそうです。カメラマンが美しい女性に見えたのでしょうか。見かねたレポーターがカメラマンからシロッコ君を引き離しますが、またすぐにカメラマンのそばに寄っていきます。

このシーンが動画サイトに投稿されてからシロッコ君は大人気となり、以前よりカカポに対するボランティアや募金活動がさかんに行われるようになったそうです。カカポだけでなく絶滅危惧種の動物は世界中にいるので、多くの人々にその存在を知ってもらえると良いですね。

(文=みあざきぱなま)
参照元: youtube.com(http://p.tl/vNcy

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