[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは人気ドラマ「怪物くん」を映画化した『映画 怪物くん』です。今年の1月に3D映画化が発表され、クランクイン。2月には舞台となる「カレーの王国」の撮影でインドへ。

そして11月26日に公開という、怪物くんにとっては大忙しの2011年となりました。主演はもちろんドラマと同じく嵐の大野智。大野にとって、本作は初主演映画。そして本作はまさに3Dあっての映画となっているのです。

本作が3Dになると聞いたとき、大野は「ピッタリ!」と思ったそうです。「手がビヨーンと伸びたりするし、これを3Dで見たら楽しいだろうなと思いました。まさに3D向きの作品ですよ」と。

3D映画は数多く製作されていますが、なんと大野自身はまだ3D映画そのものは「見たことない!」。「『アバター』は見ようと思っていたんだけど、結局見られなくて『怪物くん』は初めて見る3D映画になりますね」。

初主演映画、初3D、そして初インド!と、大野にとっては初めてづくしの映画になったのです。

大野は何事にもサっと適応できるようで、まずドラマ「怪物くん」が始まるとき、あのつけ耳と黄色い服という一瞬「コント?」のような衣装でも「はいはいって感じ。何とも思わなかったですよ」とササっと対応。初めてのインドで毎食カレーになっても「全部味が違うし、辛さも違うから全然大丈夫です」。

そしてインド・ジャイプル市のヒンズー教の寺院やアンベール城の美しさに感動し、本作に参加してくれた150人あまりのインド人スタッフやエキストラに対しても「おもしろい!」と興味しんしん。

「撮影中、まったく動かずこっちをジーっと見ているんですよ。ニコリともしない。凄いですよ! 何考えているんだろう、僕たちのことどう思っているんだろうって、ずっと思ってました」。

大野もロケ中、ずっとインドの人々を観察。お互い言葉を交わすことなく、じっと見つめあって観察し合うという不思議なコミュニケーションを取り合っていたようです。そして、時間があればインドの人々の絵を描きたかったとも。インドにはアート魂を刺激されたようですね。

ちなみに本作の監督・中村義洋監督とも初仕事! 中村監督は「周囲の人から、大野くんとは絶対に合うから一度仕事した方がいい」と勧められていたそうです。現場では初タッグとは思えないほど、あ・うんの呼吸。大野がドラマ同様にノビノビと演技しているのは、そんな相性の良さもあるかもしれません。

そしてカレーの王国に飛んでしまった怪物くん御一行の大騒動を描いた『映画 怪物くん』は、大野智の誕生日でもある11月26日公開! 誕生日と初主演映画の公開日がかぶるなんて、2011年「怪物くん」に染まった大野智の1年を象徴するかのよう。彼の代表作になりそうですね!

(映画ライター=斎藤香

『映画 怪物くん』
11月26日公開
監督:中村義洋
出演:大野智、松岡昌宏、八嶋智人、川島海苛、上島竜兵、チェ・ホンマン、濱田龍臣ほか
(C)藤子スタジオ、小学館/2011「映画 怪物くん」製作委員会