みなさんはインターネット上のクチコミ(ユーザーレビュー)を参考にされますか? CMは絶対いいことしか言わないし、クチコミは同じ消費者目線での評価だから信頼できそうな気もします。

Pouch編集部宛に「口コミサイトのレビュー件数を増加させる」旨が記載されたメールが届いたことから、「インターネット上のクチコミ(ユーザーレビュー)を参考にされますか?」と読者へアンケートを取ってみました。

かく言う者も買い物の際は必ずクチコミをチェックするのですが、結果アンケートでも81パーセントの人が程度の違いこそあれ「クチコミを参考にする」と答えています。ですが一方で、評価の不正操作をする業者の存在や悪意をもって書き込む人もいるという話も他のメディアで報じられ、実際に耳にすることが多くなっています。

世の中に浸透している「クチコミ」ですが、実際のところどの程度信用できるのでしょうか?

各種クチコミサイトはユーザー数の増加により、その影響力を増してきました。自由度が高いこと、多くの主観が集まることで大衆の意見としての客観性を生むということがクチコミサイトの魅力です。ですが、その一方でその自由さゆえに根拠のないもの、悪意ある書き込み、捏造コメント等が混ざってくる可能性も否定できません。

たとえば、先日、都内のトルコ料理店に大手グルメサイトの営業を名乗る人物から電話があり「有料会員になれば評価を上げることができる」と勧誘されたそうです。それを断ったことを公表したところ、何回かのやりとりの末、グルメサイトから削除されるということが起きました。グルメサイト側はこの営業を名乗る人物が関係者であることを否定していますが、少なくともお金で評価を操作する業者は存在している可能性は高いようです。

また、化粧品ブランドのberoadでは大手コスメ系クチコミサイトで自社製品のアイライナーが高評価を獲得、クチコミランキングのトップ3にランクインしていたそうなのですが、その途端根拠のない、しかも商品と関係のない「ヤラセの口コミが多いのではないか?」とユーザーに書き込まれた結果、商品を使ったことがない他の人からもなぜか低い評価をつけられてしまったそうです。それだけならまだしも高評価のコメントが叩かれるという事態になり、ランキング対象外の商品としてランキングから削除されてしまいました。商品の質が悪くて評価が低いのであれば、それは消費者にとっても有益な情報ですが、そうでないならばクチコミの意味がなくなってしまいます。

口コミサイトは消費者にとっては有益な情報が掲載されていますが、個人の飲食店や中小企業の場合意図しないところから大打撃を喰らってしまう可能性もありますので、口コミを書くユーザーもその場の勢いで書くのではなく、自分の発言が他者へ少なからず影響を与えることを認識し、責任を持って書くように促さなければならないのかもしれないですね。

もちろん、人の感じ方は様々です。ある商品を見ていいと思うかどうかは自由。しかし、書かれていることを何でも鵜呑みにするとせっかく良いものと出会えるチャンスもムダにしてしまうかもしれない。また逆のパターンも考えられます。

見る側は「100パーセント信じられるとは限らない」、「信用できる評価でもあくまで他人の主観」ということを踏まえ、「商品と関係ある情報なのか」という考えを頭の隅に置いて見た方がよさそうです。中には有益な情報もあるのですから、クチコミサイトは賢く使っていきたいですね。

(文=おおさか もぐみ)