先月、静岡で打ち上げられた深海魚リュウグウノツカイ。当サイトでもご紹介しましたが、今回はこの件をさらに深く掘り下げてみようと思います。はたして、リュウグウノツカイが陸に打ち上げられた事件は、地震と関連性があるのでしょうか。

今回は、東京女子大学で名誉教授を務められている生体電位と地震前兆学の国際権威学者である鳥山英雄先生に、詳しくお話を伺いました。

鳥山先生(以下先生)「まずお話しなければならないのは、私の専門は地震と樹木の関連性であるので、魚と地震という点においてはハッキリしたことはわかりません。ただしこの件に関していえば、地殻やプレートの変動が海洋生物に及ぼす影響という観点から考察することは可能です」

それでは今回なぜ、リュウグウノツカイのような深海魚が打ち上げられたとお考えですか?

先生「それはおそらく、プレートが動きひずみができたことによって起きた、電気反応によるものと思われます。地震はプレートが押し合うことで起きる現象です。そしてその動きは大なり小なり電気を起こすのです。リュウグウノツカイはその電気にショック反応を起こして、今回打ち上げられたのでしょう」

それではやはり、リュウグウノツカイが打ち上げられたのは、地震と関連性があるということですね?

先生「はい。ただこの現象が地震の前兆であるかどうかはわかりません。このところ日本では地震が再び頻繁に起きています。そのため今回の件が、過去に地震が起こったことによる電気反応で打ち上げられた可能性も大いに考えられ、前兆ではなく、地震後の影響かもしれないからです」

なるほど。ちなみに今回リュウグウノツカイが打ち上げられたのは、元旦に起きた伊豆諸島にある鳥島を震源とするやや大きな地震の10日ほど前でした。そのためどうしても関連性を疑ってしまうのですが、これを前兆だと断言することは難しいということですね。

先生「ええ。前触れだったのかもしれないし、もしくはそれ以前に起きた地震の影響かもしれない。もしくは、これから先に起きる地震の前兆なのかもしれない。それはわかりません。ひとつだけいえるのは、魚がこのように打ち上げられるのは、プレートが動いて電気反応が起きたと推察できること、それだけです」

非常によくわかりました。鳥山先生、貴重なお時間をいただきありがとうございました!

お話を伺ってみて今回わかったことは、前兆か結果なのかはわからないけれど、今回の件はたしかに地震と関連性があったということです。今後も生物が起こす不可思議な行動や現象には、注目すべきかもしれません。

(取材、文=田端あんじ)

画像:flickr=mueritz