穏やかな表情を浮かべた立派な仏様の頭部。でもこれ、よーく見たら本でできているではありませんか!

海外サイト『plumblossoms.com』にて紹介されているこちらの作品の作者は、台湾出身で現在香港を拠点に活動しているアーティスト、Long-Bin Chenさんです。彼は廃棄された書籍や新聞、電話帳そして雑誌などを彫刻として生まれ変わらせることで、その名が知られています。

香港に住むChenさんは、住まいの近辺にある大学図書館や書店、出版社に考古学博物館、さらには電話会社などから彫刻の材料となる書籍や紙を調達しているのだとか。時には道端に捨てられているものまで収集することもあるらしく、ニューヨークに住んでいた頃には、材料集めのためによくゴミ捨て場を回って歩いたそうです。

Chenさんの作品のコンセプトはずばり、『紙への回帰』。近年コンピューターの普及によって紙の需要が少なくなりつつあることを残念に思っていたChenさんは、「文化としての紙の価値を高めたい」という願いを込めて、このような作品づくりに励んでいます。

しかし、Chenさんは決して、「紙を使いまくる」という悪循環を鼓舞しているわけではありません。「私は作品にリサイクル材や廃材しか使いません。それは今まで人間が行ってきた紙の無限の消費や廃棄、再生不可能な資源を分別なく生みだすこと、そしてそれに伴う環境破壊に異を唱えるためです」とChenさん。

作品製作にはハサミやカッターのほかに、通常石から彫刻を作るのと同じく、チェーンソーやドリルなどの大工用具を使用。また、彫刻に使う書籍の内容は、できあがる作品と関連があるものを使うというこだわりもあります。Chenさんの彫刻に深遠さを感じるのは、そういった裏側があるからなのかもしれませんね。

(文=田端あんじ)

参考元:plumblossoms.com( http://goo.gl/ajLRl

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