「時間に追われることのない週末に食べたいもの」 と聞かれてパンケーキと答える人も多いのでは?ハワイの人気パンケーキレストランでは並んでいる人のほとんどが日本人観光客だったり、と日本人のパンケーキ好きもかなりもの。

しかし、アメリカ人の朝食への思い、特にパンケーキへのこだわりは相当なものです。

パンケーキの歴史が書かれた「Pancake A Global History (ケン・アルバラ著)」の中でも著者は「欧米ではパンケーキは、最も愛されているコンフォートフードの真髄と言っても良いだろう。朝食に供される場合は特に。(途中省略)パンケーキは時間に余裕があり、ダラダラできる週末の朝に食べるのが一番である。用事に追われることなどなく、ゆっくりと味わうことができなければいけない。それも理想的なのはキッチンのテーブルでガウンとスリッパ姿で、またはベッドの上で、気持ち悪くなる一歩手前まで、お腹いっぱい食べることだ」と書いているほどなのです。

ここまでアメリカ人に愛されているパンケーキ。インスタントミックスも、大手食品メーカーから、地方の小さなホテルまで相当な種類が発売されていますが、こだわり派は究極のパンケーキを求めて、日々レシピ作りに励んでいるようです。

グルメ雑誌や新聞などでも、かなりの数のパンケーキレシピが世に出ています。試してみると、それぞれ味もテクスチャーも異なり、パンケーキの奥の深さに驚かされます。

今回作ってみたのは1980年2月3日付のニューヨーク・タイムズ紙で紹介されたパンケーキです。

ポイントはサワークリームとカッテージチーズ、そしてメレンゲにした卵白をミックスすること。そのおかげで生地はふっわふわに、そしてカッテージチーズのほろっとした食感がコントラストになっています。このふわふわ感、個人の好みもあるでしょうが、いままで食べてきたパンケーキとは違う! と断言できます。

最後にコニャックをミックスした、風味高いメープルシロップをかければまさに至福の朝食のでき上がり。オリジナルレシピにはありませんが、一緒に甘みを抑えたホイップクリームも供すとさらに笑顔度がアップ。バレンタインの大切なあの人に作ってあげるのもいいかもしれません。

キャサリン・マクリントンのフォーサム・パンケーキ (The Essential New York Times Cook Book より参照)

<材料>

サワークリーム 1カップ(プレーンヨーグルトで代用可)
カッテージチーズ 1カップ
薄力粉 4分の3カップ
砂糖 大さじ1.5
塩 ひとつまみ
バニラエッセンス 小さじ2
Lサイズ卵 4つ(卵白と卵黄に分けておく)
焼く際のバター少々

メープルシロップ
コニャック(オプショナル)

<作り方>

1.ボールに卵白、バター以外をいれ、ハンドミキサーでよく混ぜる。

2.別のボールに卵白を入れ、つのができるまでまぜる。固めのメレンゲができたら1のボールにいれ生地に混ぜ込む。(メレンゲがこわれないように)

3.厚めのフライパンを熱し、薄くバターをひく。3分の1カップ程度の生地を流し、片面に焼き色がつくまで焼く。裏返して同様に。

4.焼いたらお皿に移す。冷えることをさけるためにはオーブンをぎりぎりの低い温度に設定してあたためておき、その中にお皿を入れておくと良い。ときどき生地をまぜてカッテージチーズが沈まないように、焼いている間も時々生地を混ぜること。

5.お皿にのせメープルシロップをかけて食べる。コニャックを混ぜたメープルシロップをかけても格別。さきにメープルシロップをかけて、その上にコニャックをかけても。

 

(写真、文=Mayumi Ueda

▼ボールに卵白、バター以外をいれ、ハンドミキサーでよく混ぜる

▼卵白はつのがしっかりたつまで混ぜましょう

▼メレンゲがあまりつぶれないようにまぜます

▼ホイップクリームやフルーツも一緒に。笑顔で一日がはじめられる至福の朝ごはんです!