近年自然環境への配慮が世界的に加速しています。特に原発事故以降、日本でもエネルギーの考え方が見直されるようになり、より自然にやさしいエネルギーの使用が模索されています。

そんななか大阪のラジオ局が、今までにない番組運営を試みました。その試みとは、家庭用燃料電池「エネファーム」を使った放送です。公開生放送の番組(1時間半)の使用機材の電力をすべてを、エネファームでまかなったのです。その結果チャレンジは無事成功し、新たなメディア運営を示すこととなったようです。

エネファームでの放送チャレンジを行ったのは、大阪ABCラジオです。大阪ガスの協力のもと、「生活誕生館DILIPA千里」で放送されました。

このエネファームとは、家で使う電気とお湯を一緒につくりだすシステムです。天然ガスから水素を取り出し、酸素と化学反応させることによって電気・熱・水を発生させます。したがって、従来の発電とは異なり二酸化炭素は発生しません。

また、発電時の熱でお湯を沸かすことができるので、大変経済的。家庭の光熱費を抑えるメリットがあります。このシステムを利用して、2012年2月25日に公開生放送が行われました。

この日の午後1時半~3時放送の番組『ドッキリ! ハッキリ! 三代澤康司です』では、より具体的にシステムを使った際の家庭での光熱費の変化を紹介。会場に足を運んだ主婦は、家計が助かるとあって注意深く話を聞いていたようです。ちなみに最新のシステムでは、従来のものと比べて年間約7万5000円(戸建て住宅4人家族の場合)も節約できるそうです。

エネファームは家庭の光熱費を支えるだけでなく、ラジオ放送のあり方そのものにも、今後大きな影響を与えていくのではないでしょうか。また、これを機に自然にやさしいメディアが増えていくのかもしれませんね。

参照元:エネファーム