上の写真をご覧ください。「実に精巧にできたアリだわ……CGかしら?」いえいえお嬢さん、驚くなかれ、こちらはなんと本物のアリなのです!

今回ご紹介するのは、海外サイト『lensart.ru』に掲載されている、生きた本物のアリを使って作られたアリたちのリアルライフ写真の数々。小道具を駆使して巧みに演出されたアリたちの私生活の様子はまるで、実写版『バグズライフ』のよう。「もしかしたらアリさんたちは、本当にこんな生活を送っているのかもしれない!」と、思わず妄想せずにはいられません。

こちらの驚くべき作品を撮影したのは、ロシアの写真家アンドレイ・パブロフ氏。彼はこれまでも、生きたアリを使ったアート写真を数多く製作してきました。

パブロフ氏がアリをモデルに写真を撮り始めたのは、脊髄を損傷する大怪我を負った7年前。動けない日々の中、あるときアリに興味を抱いたパブロフ氏は、どんどんアリの魅力に引き込まれていきました。アリの観察を繰り返すうち、やがて自然とカメラ撮影をはじめていたそうなのですが、それ以前はこのような撮影スタイルに一切興味を持たなかったというのだから不思議ですよね。

生きたアリを使用するため、作品は数百回にもおよぶ撮影を繰り返しやっと完成します。製作により長い時間を費やすため、毎年5月から10月の間コテージに籠るなど、パブロフ氏の撮影姿勢はとことんストイック。ここまですることによりアリの動きのパターンをある程度理解できるので、「ほとんど不可能に近いのではないか」と思えるような構図の写真撮影が可能になるのだと、パブロフ氏は話します。

それにしても、見れば見るほど引き込まれずにはいられないあまりに見事な作品の数々は、良い意味でとても本物には思えません。女子的には、リアルすぎてちょっぴりグロテスクにすら思えてしまうけど……。しかしそれもまた、この作品が持つ魅力のひとつなのでしょうね。

(文=田端あんじ)

参考元:lensart.ru( http://goo.gl/JypTw

▼アリがこんなにフォトジェニックだったなんて…!

▼撮影の様子