『透明標本』という作品、みなさんはご存じでしょうか。これは魚類、甲殻類、爬虫類、哺乳類などをある特殊な方法で透明化させたもので、その作品の美しさから、多くのファンがいるそうです。

まずは上記の写真をご覧ください。これは都内の東急ハンズで購入したコンズイ(約2900円)の『透明標本』です。青、紫、赤、緑のコントラストが非常に美しく、骨1本1本の細部まで見事に描かれています。私はこれほどまでに美しい標本を見たのは初めてです。

しかしながら気になるのが「なぜこのような姿になるのか」でしょう。早速、東急ハンズのスタッフに話しを聞いてみると以下のことが判明しました。

<『透明標本』の作り方>

1、 魚をホルマリンに漬けて形を整え、
2、 蒸留水に漬けながら洗浄し皮をはぎ、
3、 染色液に漬けて骨を染め、
4、 薬液に漬けて透明化させる

また、この生物の体を透明化させるのには長い年月と手間がかかるらしく、もちろん技術も必要なのだとか。

さらに『透明標本』の作者、冨田伊織さんの公式サイトによれば、『元来、「たんぱく質を酵素により透明にし、硬骨を赤紫、軟骨を青色に染色をする」という骨格研究の手法として確立された形態であり、美しい色合いと造形にする為には、長い月日と技術を必要とします。』とのことで、ポイントは酵素にあるとのことです。

それにしても、本当に不思議な世界があるものですね。まあ、非常に美しい反面、生物の儚さも感じてしまう作品でもありますが…。なお、この『透明標本』、関東であれば新宿と渋谷の東急ハンズに置いてあるので気になる方は直接チェックしてみてくださいね。

(写真=文 Momo)
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