タイの広大な自然のなかに佇む、神秘的な遺跡。

「おおぉ……目の前で見る遺跡って、荘厳でもの凄い迫力なのね!!」

古代文明の厳かな雰囲気を感慨深く味わっていたら、何だか違和感。あれれ、周囲をよぉ~く見渡してみると、あっちにもこっちにも遺跡があって、しかも気のせいか全体が小さいような!?

実はこれ、なんとタイ王朝の歴代都市を忠実に再現した『ムアンボーラン古代都市公園』のなかにある遺跡のミニチュアなのです。ミニチュアといっても、なかなかの大きさ。知らなければ本物だと思ってしまいそうなくらいリアルです。

タイを旅行する日本人は多いけれど、実は案外そんなに知られていない観光の穴場スポットでもあります。ネットでの口コミをチェックしてみると、行った人たちが「ここは行く価値ありだよ!」と評価している通り、タイを満喫したいならば行かないと損。特に短期旅行でタイを知り尽くしたいならば、絶対見逃せないスポット。

バンコクから車で1時間ほどのところにあるこの公園は、タイ国土の形を模した96万平方メートルもの広大な敷地のなかに各都市の歴史遺産や寺院、仏像などが忠実な尺度で建てられているのです。

え? 日本にも似たようなテーマパークがあるじゃないかって? いやいや、日本のものとはスケールが違います。

1972年に完成したこの公園は建造に9年もの歳月を重ね、膨大な予算が費やされたそうで、そのクオリティたるや、「ここまでやる?」っていうくらい緻密で忠実。各時代の寺院や仏像がオリジナルと同じ資材を使って作られているというのも驚きですよね。

さて、ここで一番の見ものは、やはり、タイとカンボジアの国境に位置し世界遺産でもある「プレアヴィヒア寺院」。この遺跡は昨年2月、この寺院を巡り両国で交戦状態となってしまい、現在タイからは寺院への立ち入りできません。この機会にじっくり見物しておきたいところ。

ほかにも、現地では既に部分的に崩れてしまっている遺跡の元の完全なる姿を見ることができるのもメリットのひとつ。

また、園内には遺跡のほか、シンプルな宿泊施設や水上マーケットの町並みを模したレストランなどもあるので、短期間のタイ旅行でもタイのすべてが見れちゃう超お得なスポットでもあるんですよ。

でもね、公園の敷地は先述通り、とっても広いので徒歩なんて絶対ムリ。カートやレンタル自転車などに乗って、優雅に草を食む牛たちを追い越しながら広大な敷地を散策しましょ。

そして、暑いので飲み物や帽子の用意など、熱中症にならない対策をお忘れなく!

お疲れ気味の乙女の皆さん、ゴールデンウィークや週末のプチ旅行にぜひこの地を訪れ、神秘的な遺跡郡のなかで時の流れを感じながら身も心もリフレッシュしてみては?

つづく

(取材、文=める / 写真=O)

協力=タイ国政府観光庁(http://www.thailandtravel.or.jp/

▼タイとカンボジアの国境に位置する世界遺産「プレアヴィヒア寺院」


▼アユタヤ遺跡



▼ダムヌンサドアク
(水上マーケットを模したエリア。船でスイーツなど売りに来てくれる)




▼コイッティディアオ (30バーツ)

▼そのほかの寺院や遺跡など










▼自転車をレンタルして、爽やかな風に吹かれながら広い敷地を回ろう!