海外サイト『dailymail.co.uk』によると、学校に入る前の段階で、イギリスに住む中流階級の子どもは貧しい家の子どもより、2300万語も多く言葉を聞いているということがわかりました。

これは、子どもの貧困や福祉問題においてのイギリス政府顧問であるフランク・フィールド氏が行った調査で判明したもの。貧困層の子どもの中には、自分のファーストネームさえわかっていない子もおり、問題は深刻です。一体なぜ、貧富の差によってこのような状況が起きてしまったのでしょうか。

フィールド氏はサンデータイムズの取材で、「このような事態が起きた背景には、貧しく不安定な家庭環境における、親の子育てスキルの崩壊があるのだ」と述べています。

子供の貧困に関する調査報告書によると、生まれてから3歳までの間、裕福で安定した家庭で育つ子どもは貧しく不安定な家庭で育つ子供よりも、両親の口から肯定的な言葉を44万個以上も聞くのだそうです。これは、「家庭が安定しているかどうか」という問題に加えて、貧困家庭における親子間のコミュニケーション不足が最大の原因だと考えられています。

親子間のコミュニケーションは、子どもの将来に多大な影響を与えます。それは、生まれ持った人種や家庭の収入など後の人生に影響を及ぼしかねない事象よりも遥かに大きく、また抜本的な影響になり得るのだとか。

貧困家庭では往々にしてコミュニケーション不足が発生しやすく、そういった環境で育った子どもたちが成長し家庭を持つと、経験がないためか再び自分がされたことを子どもに繰り返すことが多く、ここに『負のスパイラル』が生じます。

これを断ち切らなければコミュニケーション不足による無知が消えることはないし、やがては貧困という枠の中に閉じ込められて、将来に希望すら持てなくなってしまうかもしれないのです。

「このような状況では、学校に行く前からすでに子どもの将来を抹殺しているようなもの。子供にはみな平等にチャンスがある。親は積極的に子どもたちとコミュニケーションをとらなければならない」と、フィールド氏。氏は今後、貧困層に向けての子育て指導などを図り、問題を解決していきたいと述べています。

貧困は心の余裕を失くすもの。しかしそのことが、まっさらな子どもの将来にまで影響を与えてしまうなら、親はなんとしてでも状況の改善を心がけるべきでしょう。子供の未来はすべて、明るくあってほしい。そう強く願わずにはいられません。

(文=田端あんじ)

参考元:dailymail.co.uk(http://goo.gl/PpAZj