ペンキなどによるペインティングで街を彩る、ストリートアート。

「見たことがない」という方はそうそういないと思われるほど、アートとしてメジャーな存在であるストリートアートですが、これからご紹介するような作品は未だかつて誰も目にしたことがないのではないでしょうか。

上の写真をよく見てください。コレなんと、すべて折り紙でできているんですよっ!

若干28歳のフランス人アーティストMademoiselle Mauriceさんによるこの『折り紙ストリートアート』は、香港やベトナムなどアジアを中心とする各都市の街角で観ることができるのだそう。

かつて日本にも1年間住んでいたことがあるMauriceさん。『折り紙ストリートアート』は、このとき出会った『折り紙』という文化、そして病気快癒や長寿、平和のシンボルとして有名な『千羽鶴』からインスピレーションを得て生まれたものなのだとか。

特に、広島で原爆被害者となった佐々木貞子さんが自身の回復を祈り千羽鶴を折り続けた(しかしすべて折りきるまえに亡くなってしまった)、というエピソードに感銘を受けたMauriceさんは、佐々木さんに捧げるという意味でも、『折り紙ストリートアート』を続けているのだと話します。

「香港にある作品は彼らの独立を引き続き守るために、ベトナムにある作品はベトナムの国旗とベトナムの人々を強く表したものです」と、Mauriceさん。両国の未来を想う彼女の強い祈りが、作品を通して伝わってくるようです。

またMauriceさんは、3月11日の東日本大震災とそれに伴って起きた原発事故にもひどく心を痛めていると語っています。「世界中で起きてしまった惨事のすべての犠牲者の方のために、私はこれからも作品を作り続けます」。

ひとつひとつの折り紙が重なり合う力強さと、雨や強風にさらされたら儚く崩れ去ってしまいそうな脆さ。相反するふたつの要素が統合したMauriceさんの『折り紙アート』、機会があれば、ぜひ一度間近で体感してみたいものですね。

(文=田端あんじ)

参考元:mademoisellemaurice.com( http://goo.gl/sJZDM

▼このアイデア、なかった!