私は東京生まれの東京育ち。住んでいたのは今をときめく中目黒の駅から徒歩0分という商業地帯。スーパーまで徒歩5秒、パチンコ屋までは徒歩1秒という立地でした。17年ほど前に引越ししてしまいましたが、「都会っ子」と名乗っても異論はないかと思います。

そんな私が知人によく言われるのが、「東京人なのに知らないのォ?」というフレーズです。駅のことや街のこと、有名なお店や東京の観光地……などなど、私の無知に対する軽いツッコミ。でもね、でも……東京人だけど東京について知らないことも山ほどあるんだよ!

ということで今回は、東京生まれの東京育ち、わたくし長州ちなみが思う「真の東京人にありがちなこと50」をご紹介します。

【真の東京人にありがちなこと50】

その01:実は東京のことをよく知らない。
その02:新宿で迷子になる。
その03:「はとバス」に乗ってみたいと思っている。
その04:都営地下鉄大江戸線で目的地とは逆方向に進んでる。
その05:地方のことをよく知らない。日本の白地図に地名を入れるのも四苦八苦。
その06:23区だけが東京だと思っていた。
その07:23区以外の出身の東京人が地方出身者を「カッペ」とかバカにしているのを見ると「お前がいばるな!」とか思う。田舎者をバカにするのは田舎者。
その08:街や駅で見かける地方からの修学旅行生に興味津々。
その09:ビルを見ないと落ち着かない。
その10:歩いていける範囲に駄菓子屋が4~5軒はあった。
その11:家にクルマがない。ある必要もない。クルマを持っているのはお金持ち……だと思っている。
その12:マンション全体を使っての鬼ごっこ。そして管理人に見つかり怒られる。
その13:東急東横線こそ至高と思っている。
その14:駅前再開発にあたっての、友達との別れを経験。
その15:地方の超ド田舎に行くと、「どうやって生活してんだろ……」とマジで興味津々。いろいろ聴きこみ調査をする。
その16:年末年始やGW、夏休みなどの「里帰り」にあこがれる。つまり田舎にあこがれている。
その17:地方から状況して東京で働いている人を見ると「上京する時の心境ってどんな感じなんだろ……」と素直に尊敬&憧れる。
その18:方言にあこがれる。「ほとんど2カ国語しゃべれるってことじゃん!」と素直に尊敬。
その19:でも関西弁でガンガン来られると「うっ」となる。
その20:地方出身者がよく言う「うちの田舎は本当に何もないよ」のイメージがつかめない。ジャングルや砂漠など、勝手な妄想が膨らむ。
その21:東京人とひとくくりにするのはやめてほしい。「目黒区出身はお坊ちゃんお嬢ちゃんが多い」や「大田区出身はヤンキーっぽいけど実はイイ奴が多い」など、23区それぞれの出身別で系統が変わることを、もっとよく知ってほしいと思っている。
その22:「“東京人は冷たい”とか言うけど、それはちがうでしょ。いろんな人が日本全国から集まってるから冷たいやつもいるってことでしょ」とか言う。
その23:千代田区出身の超大金持ちのお坊ちゃまが「真の東京は千代田区と港区と渋谷区と目黒区と新宿区。お情けで世田谷区も入れていいや。あとの区は東京と名乗らないでいただきたい」とか言ってるのを聞いて「こいつ、イカレてるぞ……」と思ったりしたことがある。
その24:足立区や北区は、やはりちょっと怖い。雰囲気が怖い。
その25:ホームとなる繁華街のことはまるで庭のように知っているが、アウェイの繁華街については地方出身者よりも知らない。
その26:散歩が好き。よく歩く。
その27:「東京タワーに登るのは田舎者」とか言うヤツこそ田舎者。真の東京人はチャンスさえあればガンガン登る。
その28:東京都庁とか最高。タダだよ。そんでもって食堂とかも最高。眺めも良し。バーもあるよ!……とか思っている。
その29:街で芸能人や有名人を見ても何も驚かない。
その30:家の隣に、いきなりパチンコ屋が建つ。
その31:隣のパチンコ屋が「店をデカくしたいから土地売ってくれ」とか言ってきたけど交渉決裂で戦争状態になったりする。
その32:家の隣のパチンコ屋が、家の逆サイドの駐車場を買い取って、さらにデカいパチンコ屋を建設。結局、家がパチンコ屋に挟まれ、ステレオで軍艦マーチや長州力のテーマなどが聞こえてきたりする。
その33:窓を開けたら2メートルくらい先にパチンコ屋のネオンサイン。窓を閉じても照明ギラギラで室内ディスコ状態。家の屋上もパチンコ屋の巨大看板のネオンがギンギンで屋外ディスコ状態だったりする。
その34:ウチの勝手口をパチンコ屋の景品交換所だと酔っぱらいが勘違い。「なんで交換してくんねーんだ!」とドアが蹴り破られ酔っぱらいが家に攻めてきたりする。
その35:屋上で遊んでいて、ふと視線を感じるな……と思ったら、隣のパチンコ屋の上階に住み着いているフィリピンパブのホステスがタバコふかしながら窓からこっちを見ていたりする。
その36:窓を開けたら隣のパチンコ屋の換気扇が目の前にあったりする。
その37:下水の匂いに慣れている。
その38:どんどん税金や家賃が高くなって、住めるレベルではなくなって、郊外に引っ越すことになる。
その39:郊外へ遊びに出ない。東京の中だけで済ます。だから郊外のことをよく知らない。
その40:ひきこもりになりがち。
その41:「笑っていいとも」が昼にやってない場所があると聞いてビックリ。
その42:地下鉄があって当たり前だと思っている。
その43:昆虫採集とかやったことない。
その44:間違いなく地方出身者の方が東京に詳しいと思っている。
その45:台東区や墨田区の奴は、ほぼ例外なく祭り好き。
その46:「中目黒は昔は下町だったんだよ。工場とかいっぱいあってね。お祭りもすごかった。神輿がすごかったんじゃ……」とか「いきなり中目黒がオシャレな街になってて腹立つわ」などと愚痴る。
その47:「中目黒がオシャレになった原点といえるのが目黒川近辺にある『TOLLFREE』の登場である」とか、したり顔で言う。
その48:星が見えないのでプラネタリウムにウットリん子。
その49:なんやかんやで「もんじゃ焼き」は作れる。
その50:地方には住めない。

写真、文
(文=長州ちなみ / 写真=mamiyak46

▼新宿駅は迷宮です