アート表現に用いられる方法は、千差万別。ときに繊細に、ときに大胆に。アーティストたちから飛び出す意表をつくアプローチ法は、私たちを常に驚かせてくれます。

今回ご紹介するのも、そんなアート作品のひとつ、その名も『some pigeons are more equal than others』。なんとこちら、大胆にも生きた鳩をエアブラシで染めてしまった、いわば「動くアート作品」なのでございますっ。

作品を手掛けたのは、ドイツ・ベルリンを拠点に活動しているアーティスト、Julian CharriereさんとJulius von Bismarckさん。彼らは、糞害などの問題により「空飛ぶネズミ」と揶揄され忌み嫌われている鳩の認識を変えるため、このようなアプローチ方法を思いついたのだそう。

色とりどりに染められた35匹の鳩たちは皆、元は灰色のアノ鳩さんたち。アノ鳩……そうです、日本でもよく見かけるアノ灰色の鳩さんです。

ふたりのアーティストの手によってカラフルに生まれ変わった鳩さんたちは、イタリア・ヴェネチアで行われた『ヴェネチア・ビエンナーレ』期間中に作品として発表され、その際大空へと放たれました。たくさんの灰色の鳩に点々と交じる、鮮やかな色。たしかにものすごく、美しいです。美しいことに間違いはないのです、ただ……。

いくら体に害のない染料を使っているとはいえ、生きた鳩を染めるって、果たしてどうなのでしょうか。いくら鳩さんたちの汚名を晴らすためとはいえ、当の鳩さんたちからしてみたら迷惑極まりない行為だったのでは、と記者は余計な心配をせずにはいられませんっ。

観る者の度肝を抜くこの大胆過ぎるアート表現、果たしてあなたはどう思いますか?

(文=田端あんじ)

参考元:julian-charriere.net( http://goo.gl/jf9RS

▼と~っても綺麗なんだけど……なんだかフクザツな気持ちになっちゃうっ