前回エリンギを使った「なんちゃって松茸炊き込みごはん」を、普段料理などしない記者が作ってみたら、意外にも「まつたけ風」が楽しめちゃって驚きの旨さでありました。

別の食材でお手軽に作る“なんちゃって料理”はまさに生活の知恵。実に興味深い。もっと知りたい! もっとないのか! “なんちゃって” ないのかーっ!

探しまわっていたら、エリンギ松茸記事に、気になるコメントがいくつか残っておりました。

「アワビは?」
「エリンギで作るアワビも美味しいのであります♪」
「アワビにもなるよー!」

なにぃーっ! エリンギで、あの高級食材アワビが代用できちゃうというのかぁーっ!! これは作ってみないとならんだろう。というわけで、本日は「エリンギで作るなんちゃってアワビ」に挑戦してみるアルよ。

調べてみたところ、これも作り方は十人十色。ただし共通点は、似せる料理は高級中華「アワビのオイスターソース炒め(煮込み)」であるらしい。というわけで、今回はあらゆるレシピのなかから良さげなところをチョイスして作ってみることにしました。

【材料】(2人分)
・エリンギ …6本ほど
・オイスターソース …大さじ1
・しょうゆ …大さじ1
・砂糖 …小さじ1
・鶏ガラスープの素 …小さじ1
・水 …200cc
・ごま油 …適量
・水溶き片栗粉 …小さじ1
・チンゲンサイ…適量

【作り方】
1、エリンギをスライス※。オイスターソース、しょうゆ、砂糖、鶏ガラスープの素、水は合わせておきましょう。

※今回は、色々な食感が楽しめるように、ぶ厚くヨコ切り(丸型)、ぶ厚くタテ切り(棒型)、薄切り(薄平型)の3種類にカットしてみたよ! (カッコ内は記者が勝手に命名したもの)

2、フライパンにサラダ油をいれ、強火でエリンギを炒める。

3、調味料を流しいれて、5分程煮込む。

4、水溶き片栗粉とごま油を入れて、弱火にし2~3分煮込む。(味付けが濃い場合は水を入れてもう一度煮つめ、薄い場合はオイスターまたはしょうゆをほんの少し足しましょう)

5、お皿に盛って、ゆでたチンゲン菜を添えてできあがり! さて、エリンギはアワビに変身してるのかなあ~♪

<まずは見た目>
3種類の切り方をしていることもあり、見た目はアワビとは言い難い。とろみの効いたオイスターソースとチンゲン菜が、なんとな~くそれっぽい雰囲気を醸し出してくれてます。料理慣れしていない記者が作ったにしては、全体的になかなか美味しそう?

<味は?>
とろ~り濃厚なソースがしっかり絡んでいて、まったりして美味しい! オイスターソースと鳥ガラスープで深みのある味に仕上がってます。これはいける! うまーっ! 

だけど仕方ないことだけど、やっぱりエリンギ風味は否めない。エリンギという枠からは完全に抜け切れていないけれど、いつもはサブ役のエリンギが主役級になってますわよ。白いご飯と一緒にガツガツ食べたくなっちゃうわ。

<アワビの食感としては…>
◎ヨコぶつ切り(丸型)… 普段しない切り方に最初は半信半疑だったのですが、口に入れるといつものシャキシャキしたエリンギらしからぬ、ふわっとした食感にビックリ! ほんのりコリコリ感も楽しめてアワビっていったらアワビっぽいけれど、どっちかというと、形も大きさも見た目もホタテに似てる! めっちゃ美味しい! この切り方、今回の料理にピッタリ!


◯タテぶつ切り(棒型)… コリコリした食感が、アワビっぽい! これはすごい! だけどその一方で、この繊維質なところがエリンギを主張している。美味しいけれど、エリンギエリンギしております。あと、視覚的にもエリンギでは良くあるカットのためイメージを払拭できず。

△タテ薄切り(薄平型)… 先ほどよりもコリコリ感があって、アワビの食感はよりリアルに。だけど気のせいかエリンギの香りも、ほかより強いような気がしてきます。んー、おいしいけれど、これはもうどうみてもエリンギであるよ。

完全なるアワビにはなりきれないけれど、ほかに代用できる食材があるか? と言われたらエリンギの右に出るものはないと言ってもいいかもしれない。実際に大変に美味しいし。アワビや松茸に変装できるとは、なんたる万能キノコだろう、エリンギ!

そういえば重大なことを忘れていたのですが、記者は高級料理「アワビのオイスターソース炒め」を食べた覚えがないのでした。あるかもしれないし、ないかもしれない。ということは……やっぱりないも同然であります、はい。美味しかったんだから、もうそんな細かいことどうでもいいじゃないの!

というわけで、そんな記者がオススメするこの絶品料理、皆さんも信頼して作ってみてくださいまし♪

(料理、写真、文=メル凛子)