忙しく働いていると、たまの休日にはゆっくりしちゃって、ついついお買い物がおろそかになりませんか。そして、ある日気付いたら「ガーン! 明日着ていく服がない!!」ってことになったりして。そんな忙しい方の強い味方がネットショッピング。

でも、ネットショッピングで洋服を買うのって、なかなか難しいですよね。何かコツはないのかしら。そう思って内部事情を知っている方にお話を伺ってきましたよ! 教えてくださったのはおうち起業家/主婦デザイナーで、通販ブランドでもお仕事をなさっている大澤和美さん。目から鱗のネットショッピングのコツを大紹介いたします

【お店の選び方】
まずは基本から。ネットショッピングでお店選びを間違えると、商品が届かなかったり、その後に思いもよらない広告がじゃんじゃか送られてきたりという様々な問題が起こります。また、サイトの状態で、一枚一枚の洋服にかけるお店側の情熱をうかがい知ることもできます。ということで、見るべき観点は以下の通り。

1.信頼できるお店で買おう!
そう多くないとは思いますが、変なお店で買ってしまっては大変です。「特定商取引法に基づく表示(事業者の名前、住所、電話番号等)」、「プライバシーポリシーの表示(『○○目的以外でお客様の個人情報を第三者に開示または提供いたしません』等)」、「セキュリティーの表示(カード決済のセキュリティーについて)」の3つの表示がきちんと記載されているか、確認しましょう。

2.返品できるお店で買おう!
「買い方」で紹介するコツに関係してきますが、ネットショッピングは試着してから購入すると言うことができないので、返品ができるお店を選ぶのが無難です。

3.サイズ表示が細かいお店で買おう!
S、M、Lというサイズが同じでも、ブランドによって大きさは異なります。平置きをした場合のサイズを、「肩幅:○センチ」等と細かく記載しているお店で買いましょう。

4.商品写真を複数載せているお店で買おう!
商品写真を複数載せているお店は、一枚しか載せていないお店よりも、一着を売るのにお金をかけているということになります。それだけ、ちゃんとした商品を作っていると考えられます。届いてからイメージが違ってガッカリすることも少ないので、写真を複数載せているお店で買いましょう。

【買い方】
さて、ここからが本題。大澤さんが通販ブランドでもお仕事をしている関係で気付いたことをこっそり教えてくださいました。

1.手持ちの洋服で気に入っているもののサイズと生地の混率を把握して、商品の記載と照らし合わせて想像しよう!
自分が気に入っている洋服の、「肩幅、桁丈、バスト、着丈、袖丈、ウエスト、ヒップ、股上、股下、ワタリ」のサイズ項目を調べておくと便利です。そのサイズと、「いいな」と思っている商品のサイズを比較すれば、「お気に入りのあの服よりもちょっとヒップ周りがきつそう」などとわかります。また生地の混率(「綿○%、ポリエステル○%」等の記載)も、手持ちの服で肌触りが好きなものものを見ておくと便利です。

2.生地の厚さや肌触り、色、体型と着丈についてレビュー(口コミ)をよく確認しよう!
お客様は商品を写真で判断をするので、ネットショップは商品写真の魅力を重要視しています。そのため、まずはネット上で写真映えするものを作りたいという考えで、生地の厚さや肌触りは二の次。返品されない最低限のレベルを保つ事でコストを調整しているメーカーも見受けられます。

そのため、生地に関してはレビューでしっかり確認することが必要です。また、色味も撮影によって実物と違うことがあります。モデルと一般人では体型が異なるので、着た感じも異なります。これらもレビューで確認すると良いでしょう。

3.初めて買うお店では、ブランドの『原型』(基本サイズ)、生地の善し悪しを確認しよう!
ブランドごとに『こんな体型の人に似合う服を作ろう』というブランドイメージがあり、それに合わせて『原型』(基本サイズ)というものがあります。ブランドが同じ服では同一の原型を使うので、大きくサイズ感が違うということはありません。(インポート物は、サイズ感がシーズンによって変わることもあります。)そのサイズ感が自分とかけ離れていると、そのブランドの洋服は似合わないということになります。

カットソーなどのトップスは、きちんとサイズを確認して購入すれば失敗が少ないので、まずはトップスを買ってみて、ブランドのサイズ感が自分に合っているかを確認すると、その後の買い物がしやすくなります。また、トップスだけ生地が上質でスカートは生地が非常に悪いということも考えにくいので、生地のレベルを見ておくのもおススメです。

4.初めてボトムスを買うお店では、1サイズは返品するつもりで、2サイズ買おう!
カットソーでサイズ感と生地のレベルを確かめたら、ボトムスを買ってみましょう。ボトムスを買う場合は、下半身の原型がわからないので2サイズ買ってみるのも手。1サイズは返品することになりますが、1サイズだけ試して「このブランドのボトムスのサイズは合わないかも」と決めつけるよりも賢いやり方です。

【注意点】
・色ものは危険!
色ものは、写真の写し方で色味が大きく違って見えてしまうことがあります。ネットショップで買うのは白黒茶などの定番カラーがおススメ。どうしても色ものを購入したい場合は、なるべく小物やインナーなど、外から見える面積が少ない物をチョイスすれば大きな失敗は避けられます。また、レビューをよく見て「色が写真と違う」などという記載がないかを確認しましょう。ピンクやパステルカラーなどは写真と大きく違う可能性が高いので、注意しましょう。

サイトごとに、「写真が実物よりも明るい傾向にある」、「色味が鮮やかに出過ぎている」等の特徴があるので、その特徴をつかめれば色ものも買いやすくなります。

・サイトの雰囲気や取扱商品の傾向が変わってきた時は踏みとどまろう!
「いつもと違う」と思った場合、それはブランドの方針や経営方針が変わるなどといった、何らかの大きな変更があった可能性があります。その場合、悪くするとブランドのサイズ感や使用素材の傾向が変わっている可能性もあります。
「いつもと違う」と思った場合は、そこから別のネットショップになったと考えた方が良いのです。

・モデルが着用した写真は当てにならない!
そもそもサイズが全く違うモデルが着用している写真は当てになりません。見るべきはサイズです。写真はイメージを膨らませるものとしてのみ活用し、レビューで体型と着丈のバランスを確認しましょう。

・スキニーパンツなど身体にフィットしたデザインは避ける!
サルエルなどのゆったりしたシルエットのパンツやカットソー素材のパンツや、ストレッチの素材、ウエストがゴムになっているスカートであれば、比較的安心です。しかし、身体にフィットしたデザインは、よほどサイズ感が自分に合っていないと難しいので避けましょう。

・生地のアップ画像がある場合はよく確認しよう!
メーカー側が素材に自信持っている場合や、特性のある素材の場合は、素材の拡大写真をサイトに載せている傾向があります。よく見ると無地ではなく柄だったり、白い布だと思ったらシースルーだったりする場合があるので、生地のアップがある場合は、特に注意して確認しましょう。

いかがですか? 大澤さんは、「レビューに素材感、着丈と体型のバランス、商品の善し悪しを正直に書いてください!! それくらい自信を持って作っているメーカーはたくさんありますし、そういったブランドだけが残っていくべきものだと思っていますから。」とおっしゃっていました。

上手に活用すれば、かなり便利なネットショッピング。記者もこれからうまく活用して、レビューに「自分の体型と着丈のバランス」、「生地について」、「色味について」をきちんと書いていこうと思います!

取材協力=おうち起業家/主婦デザイナー大澤和美
(取材、文=FelixSayaka