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終わり行く辰年。もういくつ寝ると巳年です。そんな「はざま」な感じを、日本で一番出している場所が東京メトロ有楽町線にあります。12年に一度しか訪れない「はざま感」。一体どこの駅なのかというと、それは……!!

辰巳駅です。

辰巳駅では12年に1度のアニバーサリーにちなんだオリジナル辰巳スタンプが年末年始の間だけ押せるキャンペーンを1/6までやっています。

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有楽町線ユーザーでも「どこそこ?」なマイナー駅辰巳。タワーマンションがそびえたち新興コセレブ住宅街になりつつある豊洲と、有楽町線終点の新木場の間にある駅です。東京湾に浮かぶ島の町です。

スタンプ押し場は辰巳駅改札を出てすぐ、切符売り場の脇にあります。1000系車両の画像が入ったオリジナル台紙は駅員さんに言えば一人一枚までもらえます。台紙をもらいがてら聞いてみました。

「12年前も同じイベントをやっていたんですか?」
「さあ…わからないですねえ…。」

あまり感動がない様子でしたが、これを最初に思いついた人は「俺すげえっ!」って思っただろうなって思いました。偉いなと思います。

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さっそく押してみました。はんこ下部には2012-2013の文字があり、12年後流用しないぞ、という今回限りのプレミアム感を感じさせます。

はんこ押し場の横には全長3メートル近いアニバーサリー記念の特大辰巳ポスターもありました。

特大ポスターに向けてカメラを構えていると、通りすがりの人の半分以上が「おっ、何撮ってんの」→「(ポスターを見て)あっ、ここ辰、巳ー!」→「どれどれ私も……」の3ステップでカメラを構えだします。

私がカメラを構えただけで、老若男女8人もの人がつられて撮影していました。

撮影を終えたあと、遠くから10分ほど眺めていました。誰一人気がつかないと皆素通りしていくのですが誰かが「あっ、ここ辰、巳ー! なるほどねー!」と気づいてカメラを構えだすと一気につられ撮影会が始まります。

親子連れ、若いカップル、おじさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃんまで。好みが多様化する現代にこれほどまでに老若男女のハートをつかむ干支パワー。まだ年賀状を出せていないズボラなあなた、2013年の年賀状デザインは辰巳駅で決まりですよ!

(写真、文=石徹白未亜)