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あっれ……。これ、ユッケ? フランスでは意外と韓国料理が浸透しているの?

パリ5区にあるビストロレストランに入ってメニューを見ていたら、とある料理の写真がデデーンと目に飛び込んできて衝撃を受けた。

それは、ドカッと円柱状に盛りに盛られたペースト状の牛生肉と、その上に鎮座した生卵の黄身! このビジュアルどう見ても……みなさんご存知のユッケですよね。

日本ではすっかり幻となってしまった牛生肉のユッケ。食べられるならこの機会に堪能してみたい気もするけれど、せっかくパリに来たからには気の利いた美味しいビストロ料理が食べたいのよ。なんでユッケなんてメニューにあるんだよう!

と思っていたら実はコレ、地元パリでも良く食べられている正真正銘の欧州料理「タルタルステーキ」というものだそうな。※なんでも、その昔タルタル人という民族から伝わったもので、筋が多く食べにくかった馬肉を細かく切るなど柔らかくしてから食べる方法が現在に残ったという。(※このルートは、ひとつの説のようです)

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そういうことなら、ぜひとも食べてみたい! というわけでさっそく注文してみたのですが……。

目の前に出されたボリューミーな生肉のド迫力に、普段「生物」を食べ慣れている日本人でさえ衝撃を覚えるはず。ユッケみたいとは言ったものの、そもそもユッケはお肉を細かく刻んだもの。一方、タルタルステーキは玉ねぎなどと一緒に混ぜて肉をさらにより細かく刻んだもの。見た目的にもなんていうか、これ、どう見てもハンバーグのタネじゃないっすか!

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まずは、ケーキ入刀〜! 切れ目を入れてみることに。

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生卵がとろ〜りと赤いお肉に広がっていく様子は、実に食欲を駆り立てます! なんて美味しそうなビジュアルなんだろう、ただし生肉じゃなければ!

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お肉の周囲にはケーパーや薬味などが添えられていて、それらも一緒に混ぜて食べます。うーん、こうして混ぜていると、やっぱりハンバーグを作っているんじゃないかと錯覚してきました。

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そして、具混ぜ完了ーッ!

こ、これが完成された料理だなんて!! 失礼ながら……信じられん。どっからどう見ても、次の工程 “焼き” を必要としているかのような光景に尻込みする記者。

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いやいや、何を躊躇している! 世界中の色々な料理を食べてみたい、それが食いしん坊な記者のハングリー精神! グルメなパリっ子たちの大衆料理として受け入れられているということは、きっと美味しいに違いない。

●食べた感想
ひと口食べてみると……ふむ……。なんというか、風味はネギトロに似てます。ふむふむ……悪くはないけど、すごく美味しいわけでもないような。ネギトロやユッケと比べると、ちょっと大味な気もします。これはこれでアリですが、最後まで完全にレアのハンバーグを食べている感が抜けなかったのは否めません。

パリに住んでいた方に聞いてみたら、「それがむしろ好き」という。通りすがりの旅行者には、ちょっとレベルが高いと思われがちかも。特に海外の生卵や生肉は、より一層細菌や寄生虫などのリスクにも注意せねばですしね。とはいえ、生肉大好きな方は1度くらいチャレンジしてみるのもアリかも?

■LA HARPE (ラ・アルプ)
住所:16, rue de la Harpe 75005
メニュー:タルタルステーキ 12ユーロ(約1560円程 4/11現在)

(写真、文=メル凛子)

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