みなさん、ニシンはお好き? 記者は魔女宅レシピ、ニシンとカボチャの包み焼きの記事を書いてから、わりとニシンをよく食べます。特に、コストコとかIKEAに売っているニシンの酢漬けの瓶入りが好物。何にもないときでも、ニシンの酢漬けと(激安)白ワインさえあれば、オシャレに自堕落生活が楽しめるのです。そんなニシンについては舌の超えた(?)記者に最近メル編集長が耳寄りなことを教えてくれました。

オランダ大使館でニシンの塩漬けを試食するイベントがあるというのです。そのニシンの塩漬けのお値段は、なんと1樽45匹入り800万円! 何この高値! 1匹約18万円相当ですよ! 「山川さん(記者)、行っていいですよ」とメル編集長が言ってくれましたので、勇んで参加して参りました!

■オランダ、スヘフェニンゲンで行なわれるニシン祭りでは、ニシンのしっぽをつかんで一気食い!

オランダ大使館に行く前にちょっと調べてみたところ、オランダのスヘフェニンゲンという場所ではニシン漁解禁の日にお祭りをするとのこと。そこでオランダ人のみなさんは昔から、ニシンのしっぽをつかんで一匹丸かじりしちゃうんですって! スヘフェニンゲンの皆さん、ペンギンなの? ニシンって小骨が多いのにね。

■800万円のニシンの塩漬け
本場のやり方で一気食いを薦められるかもと心配しながらもオランダ大使館で行なわれたプレスパーティに参加。しっかりウェットティッシュも持ってね。

でも、パーティでは一気食いは薦められず、普通に切ってサーブされました。さすがは大使館、さすがは王室御用達ブランドの「クラウンマッチェス」のニシン、お上品ざます。

そして肝心の800万円の塩漬け。まさか、激安洗濯石鹸が「スプーン1杯で驚きの白さ」をうたいつつ、スプーンが超でかかったりするのと同じように、塩漬け自体がむちゃくちゃ大量なんじゃないでしょうね?
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なーんていう記者の予想を裏切り、塩漬けの樽の大きさは高さ30センチ、直径25センチくらいの樽。こんな小ささで800万円なんて……。奪って逃げて売り飛ばそうかと思うほど。800万円って、日本人の平均年収のほぼ二倍の値段ですよ!

■17万円分くらい、食べてきた!
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800万円の樽を奪って逃げたい欲求を抑えつつ、おしゃれに料理された料理をとりに、列に並びます。切り身になっているけれどおそらくトータル1匹分くらいはとっちゃった。18万円相当なり。おほほほほ。
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フードメニューは、ニシンとフレッシュトマトのスパゲッティ、ニシンとオレンジ・ウイキョウの白バルサミコマリネ、ニシンのカナッペ、ニシンの香草フリット、そしてニシンの塩漬けをそのまんま。
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■トロニシン!
ニシンの塩漬けを一口食べてみると……、そりゃあもうおいしゅうございました。脂がしっかり乗っていてとろけちゃう。もらった資料に「トロニシン」と書いてあったけれど、まさにトロ。骨もそのままついているはずなのに、とろっとろ! もういくらでもいけちゃう。
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このニシンの塩漬け、生のニシンをエラだけとって薄い塩水で2、3日漬けたものなのだとか。天然のニシンとシーソルとだけで作られていて、化学調味料や保存料、着色料は一切使われていないそう。
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なのに、このおいしさ。日本のニシンもおいしいけれどもっと骨っぽくてパサついている気がする……。聞けば、その理由は日本では数の子に価値があるので、数の子をとった後のニシンを食べるのに対して、この「クラウンマッチェス」の塩漬けニシンは産卵経験がなく一番脂がのった時期の若いニシンを使っているからなんだとか。

実はスヘベニンゲンの皆さんがしっぽをつかんで頭から丸かじりしているのも、こういった塩漬けニシンなんですって。記者もそうやって食べたいほど気に入った!

パーティではオランダらしくオシャレに西洋風の提供方法でしたが、このニシンの塩漬け、白いご飯と食べたり、寿司にしたりしてもおいしいはず!

■実際のところ、800万円は初競り価格で、このお金はチャリティへ
ただ、いくらおいしくても1匹分18万円では、買えない……と思ったのですが、実はこの価格、初競りでの価格でお金はチャリティとして寄付されると知って一安心。

ネットで「クラウンマッチェス」とググってみたら、4匹分(8フィレ、300g)入っているものが1500円でAmazonさんなどで売っていました。買える!

というわけで、使い道いろいろ、トロ級においしい800万円のニシンの塩漬けの話でした。これからの秋冬、おしゃれパーティシーンなどにクラウンマッチェスのニシンの塩漬けを取り入れてみてはいかがでしょうか。

【オランダ王室御用達の塩漬けニシン「クラウンマッチェス」】
賞味期限:冷凍状態、未開封の場合 製造年月日から1年
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(取材・パーティ写真・文=山川ほたる