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12月14日(土)公開のソフィア・コッポラ監督の新作『ブリングリング』は、東京国際映画祭で初お披露目されたときから女子の間で話題。

映画祭での前売りチケットは発売から6分で完売し、ソフィアが来日してレッドカーペットに現れるやサイン攻めにあうなど、日本のオシャレ女子から圧倒的な人気を誇っています。

そのプロフィールは『ゴッドファーザー』などを手掛けたハリウッドの巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の娘という筋金入りの二世セレブ。彼女ほど、親の七光りをうまく作用して成功した二世セレブはいないかもしれません。いまやコッポラ監督といえばソフィアのこと! というわけで、新作映画『ブリングリング』とともに、ソフィア・コッポラのセレブ伝説を追ってみましょう。

☆ソフィアの真のセレブ力

ソフィアは父だけでなく、兄のロマンは映画監督、従兄は俳優のニコラス・ケイジ、ジェイソン・シュワルツマンという映画ファミリーの一員。コッポラ監督の仕事について少女の頃から世界中をまわり、一流の物に触れてきた者だけが持つ世界観がソフィアのセンスの源となっています。

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それらは映画にも反映され、『ロスト・イン・トランスレーション』ではパークハイアット(東京・新宿)、『SOMEWHERE』ではシャトー・マーモント(カルフォルニア・ハリウッド)が舞台として使われていますが、5つ星ホテルの過ごし方を熟知したソフィアだからこそわかる、自宅のように滞在する気ままなホテルライフが描かれています。

ゴージャスな一面を際立たせるのは野暮なこと。成り上がり系はやたら悪目立ちしたがりますが、ソフィアにはそれがありません。なぜなら一流の世界は彼女の日常だから。それが真のセレブである証拠でしょう。

☆ファッション・アイコン

ファッションの世界でも認知されているソフィア。ミルクフェド、X-girlなど大人の女性をもかわいく上品に見せるガーリーファッションを発信していたり、現在でもヴィトンとのコラボレーションなど有名ブランドとの仕事をこなしています。ソフィアの映画に出演する女優たちの衣装もどこかガーリーテイストです。

でも、本人は少女っぽいというよりシンプルでカジュアル。決してキラキラ華やかさを放っているわけではありませんが、実はハイブランド……というファッションです。『ブリングリング』で来日したときもシャツとパンツなどシンプルでしたけど、何気にヴィトンだし。同じ二世セレブでもド派手なパリス・ヒルトン系とは対極に位置しています。

☆女子人気が高いソフィア・コッポラ監督作

親の七光りゆえにソフィア作品を「お嬢様のお遊び」と、イジワル目線で語る批評家はけっこういます。でも『ロスト・イン・トランスレーション 』でアカデミー脚本賞、『SOMEWHERE』でヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞と実績はあるのです。

物語にあまり大きなうねりがなくストーリーテラーとしての力はそれほどでもないけど、キャラクターの心情に寄り添い、心象風景を映像で切り取るような私小説的な映画が多く、なんといっても小道具と音楽の使い方は抜群です。

『マリー・アントワネット』のパステルカラーの色彩やマカロンなどのスイーツは女子が歓声をあげましたし、『SOMEWHERE』で主人公が乗る黒のフェラーリ360モデナはシックで素敵でした。フェラーリといえば赤だけど黒を選んだところにソフィアのセンスが現れています。音楽のチョイスもよくサントラはいつも評判。この音楽センスの良さは元彼クエンティン・タランティーノとの共通点かもしれませんね。

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☆新作『ブリングリング』で新たな世界を確立

ソフィア・コッポラ監督の新作『ブリングリング』は、セレブの自宅で金品を盗んでいた少女たちの実話を元にした映画です。ソフィアはこの映画について「10年前ではありえなかった話。現代社会を反映した事件ね。特にソーシャルメディアとの関わりが子供たちに与えた影響は大きいわ。情報が過多でプライバシーは欠如し、この映画の少女たちみたいに、憧れのセレブと個人的に知り合いみたいな感情を生んでしまったのよ」と語っています。

セレブが出るパーティをチェックし、留守宅に入り、まるでショッピングするようにセレブたちの衣類やアクセサリーを盗んでいく。それを友だちに自慢し、フェイスブックにアップ! どこかのネジが飛んでいるとしか思えないけれど、彼女たちは警察に捕まり、報道されても反省ゼロ。犯罪者になってしまった後悔よりも有名になった喜びが勝っているのに驚きです。「セレブに近づいた!」と。

これまでのソフィアの映画とは見た目も世界観も違います。ふんわりとした美しさはなく、そのかわりに刺激的でギラギラし、登場人物はみなハイテンションで饒舌です。本人も「デビュー作の『ヴァージン・スーサイズ』は純真無垢な時代についての映画ですが、この映画には純粋さはまったくありません」と語っています。音楽も若い子が好むヒップホップ系やクラブ系の強烈なビートが印象深い。

何者かになりたいと願って止まない少女たちを描いたソフィア・コッポラのブラックなガーリーワールド。これもまた刺激的で進化したソフィア・コッポラの世界なのです。
(映画ライター=斎藤 香)

『ブリングリング』メイン

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『ブリングリング』(2013年度作品)
2013年12月14日公開
監督: ソフィア・コッポラ
出演: エマ・ワトソン、ケイティ・チャン、タイッサ・ファーミガ、イズラエル・ブルサード、クレア・ジュリアン、ギャヴィン・ロズデイル、ジョージア・ロック、レスリー・マンほか
カンヌ映画祭 PHOTO (C)Kazuko WAKAYAMA
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