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日本が世界に誇るもののひとつといえば「忍者」。三重県の伊賀という場所が伊賀流忍術発祥の地なのですが、その三重県にある三重大学人文学部でこの10月からユニークな講座がスタートしました。

その名も「忍者・忍術学」講座

何その聞くだけでワクワクしちゃうような授業。もしかして、水中に長時間潜む訓練しちゃったりとか? マキビシの作り方がテストに出ちゃったりとか?

ああ、今すぐ私も三重に飛んで学生たちに混ざりたいっ! ……というのは無理なので、講座の担当教授である山田雄司さんに授業についてあれこれうかがってみることに。「忍者・忍術学」講座、いったいどんなことやってるんですか!?

ーーそもそも、この講座が開講することになったのはどのような経緯から?

(引用符内 山田教授)

「これまで伊賀で市民向けの『忍者・忍術学』講座を行ってきましたが、学生から大学の授業でも忍者について扱ってほしいという要望が多かったので、今年度後期の授業として行ったものです」

こうして大学生向けに始まったこの講座、先日は甲賀流忍術の継承者で「最後の忍者」と呼ばれる川上仁一さんによる講義が行われるひと幕も。川上さんは6歳のころから忍術修行を行い、今は伊賀流忍者博物館の名誉館長や三重大学社会連携研究センターの特任教授も勤めるなど、まさに忍者に生涯をささげているお方。

そう、皆さん、忍者は本当にいるんですよ! もし外国人に聞かれたら胸を張って答えてください。「忍者は今も日本に存在する」と。

ーーその他にはどんな講義が行われているんですか?

「12月19日が忍歌について、1月に入ると『忍者と医薬』、『忍者と呪術』といった内容の予定です」

ーーおお、どれもこれも興味深い! 学生の皆さんからの評判はいかがですか?

「これまでとは違った忍者の姿を知ることができ、三重県が世界に誇れる文化であると好評です」

たしかに、忍者という言葉やイメージはメジャーすぎるほどメジャーですが、詳しく知っている人は少ないし、知る機会もあまりないですものね! それにしても、忍者や忍術について学ぶことで、学生たちにとって何か役に立つことってあるんですか?

「忍者は、知力、コミュニケーション能力、忍耐力、即断力、応用力、責任能力などに優れていました。とりわけ、忍者は情報を得るのが非常に重要。どのように人の心に取り入ったらよいかといった点が忍術書に書かれているんです。昨今の若者に欠けているといわれがちなコミュニケーション能力に関して、非常に役立つと思われます」

忍者から学んで現代社会に応用できることがこんなにあるとは! 決断力がない、コミュニケーション能力に難がある、責任能力に乏しい……そんな悩みを持つあなた! 行くべきは自己啓発セミナーではなく実は忍術修行なのかもしれません。

忍者・忍術学、学生だけでなく大人の私たちもぜひとも学んでみたいものです。

(取材・文=鷺ノ宮やよい/ イメージ画像=Pouch)

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