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仲睦まじくポーズをとるパパ、ベンと、3歳になる幼い娘、オリヴィア。このとき彼らの胸の中にいたのは、あるひとりの女性でした。

それは今から2年前、2011年に31歳という若さで、肺がんで死去した女性、アリ。アリはベンの最愛の妻であり、オリヴィアにとっては世界でたったひとりの大好きなママ。そして今、彼ら親子は、アリとの思い出がたくさん詰まった家から、静かに旅立とうとしています。

ご紹介するのは、妻を亡くした夫と母親を亡くした幼い娘が、結婚記念に撮影した写真をそっくりそのまま、同じ場所、ポーズそして構図で撮影した作品『Moving without mom』。海外サイト『TODAY.com』に、その一部が掲載されていました。

2年間、愛するものを失うという耐えがたい苦しみを体験したベンとオリヴィアが行きついたのは、「アリと共に過ごした家を去る」という選択。そして、「忘れるのではなく、アリという存在を強く心に刻む」という結論でした。

家具ひとつない、がらんとした家の中にふたりきり。この場所で、この先ふたりで味わっていくであろう、数多くの幸せ。それを予感しているかのような、満ち足りた表情で写真におさまる、ベンとアリ。

そして今、写真家である義理の姉妹メラニーの協力の元、アリがあの日そうしていたのと同じようにポーズをとる、幼いオリヴィア。彼女を見つめるベンのまなざしは、かつてアリを見つめていたときとはまた別の、深い愛情に満ち溢れています。

「アリと作ってきた思い出を、これからももっともっと大切にしていきたい。だって、私たちの愛は深く、今でもまだ進行中で、それは決して死ぬことはないのだから」

後日、撮影を担当したメラニーは、撮影中は常にアリの存在を近くに感じて、まるで指示さえうけているかのような感覚を体験したと話しています。そして驚くべきことに、ベンとオリヴィアも、同様に感じていたとのこと。

アリにとってもきっと、この作品は生涯でもっとも大切な宝物。だからきっと、撮影している家族のそばに、少しでも長くいたかったのでしょう。

家族の愛がめいいっぱい詰まったとっておきの家族写真、『Moving without mom』。大好きな人をもっともっと大切にしたくなる至極の作品を、それではごゆっくりお楽しみくださいませ。

(文=田端あんじ)

参考元:TODAY.com

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