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今日は12月24日クリスマス・イブですね。なんか平日だっていうのに、どういうわけか街の中にはイチャつきながら歩くカップルの姿が目立ちます(目障りだッ!)。

みなさん、なんとなくクリスマス特有のロマンチックな雰囲気に流されているんだと思いますが、ちょっと考えてみて欲しいですわ。

もうそろそろ、「クリスマス=恋人たち」という日本固有のダサい考え方を捨てようではないですか。我々庶民もバカじゃあない。毎年毎年PR会社や企業の商業戦略に乗ってあげて、意味不明なプレゼントを贈ったり贈られたり、恋人がいるいないを問われたり……(もう、そういうのお腹いっぱいなんだ!!)。

そう考えると、クリスマスを恋人と一緒に過ごすなんてのは、時代遅れでとてつもなくダサい行為に思えてきませんか。そう、ダサいからクリスマスデートなんて今からでも中止したほうが良い。

一方で、これらの時代遅れな人々のせいで、毎年独り身たちはこのシーズン中存在を否定されたかのような心境にかられるんですわ。日本のクリスマスは幸せな人だけがより幸せに、孤独な人はより孤独さが増して、救いようのない状態になるのです。なにゆえ我々独り身の仏教徒に、このような試練をお与えになったのですか、キリストよ。

キリストよ……!!

【街にとどろくジングルベル】
寒々とした北風が吹きすさぶなか、街中にジングルベルやきよしこの夜などのメロディが物悲しく流れるのなんとかなりませんか。独り身にとっては完全にレクイエムにしか聞こえません。あのメロディは本当に精神的に良くないんです、なんとかしてください、キリストよ。

【虚しいイルミネーション】
宝石のように光り輝くイルミネーションの下を、独りで歩いたときの悲壮感といったら筆舌に尽くし難いものがあります。普通のイルミネーションであればまだしも、なぜかクリスマスが絡むと胸がキュッとして孤独感が倍増します。もう私をイジメないでください、キリストよ。

【意味不明なプレゼント】
そもそもプレゼントをあげるキッカケなんて必要ないでしょう。プレゼントっていうのは、大切な人に気持ちを伝えたいときにあげるものですよ。日本人(キリスト教以外)にとってはどうなんでしょうね。ここぞとばかりに高級なブランド品をリクエストされたりと、随分苦労を強いられる人もいるみたいです。で、私にプレゼントは? キリストよ。

【本場では食べないケーキ】
日本ではコンビニやデパートや商店街などでクリスマスケーキと称した高価なホールケーキを売りまくりますが、キリスト教徒の本場・欧米ではそういったクリスマスケーキは食べません。なんか日本ではみんな義務みたいに買っていきますが、誕生日でもないのにどうかと思います。ちなみに独り身の私はホールを買っても食べきれないので一緒に食べてくれますか、キリストよ。

【マッチ売りの少女気分が味わえる】
とにかくこのように浮かれた雰囲気の街の中を歩いていると、なんだかマッチ売りの少女になったかのような気分が味わえるんです。凄まじくひもじい気分になり、精神的苦痛を受けるのが、我々独り身たちのこのシーズンの宿命なのです。それもこれもきっと神のご加護によるもの、そうですよねキリストよ。

そうか、それもこれもすべてはキリストが与えてくれた試練だったのですね。なぜ普段から悲しい思いをしている我々独り身が、さらに追いつめられるのかは疑問ですが、おそらくもっと精進して現在のリア充よりも魅力的な人間になれということですね。

でもね、恋人がいても魅力的じゃない人はこの世に五万といますよ。だからもう「クリスマスを恋人と過ごす」なんていう時代遅れはやめて、来年からは「クリスマスは独りで過ごす」のがシャレオツっていう感じでいいですよね、キリストよ。

(写真・文=めるりんこ/ モデル=ハトコ)