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みなさんは眠りにつくとき、照明をどうされているでしょう。電気という電気をすべて消して、真っ暗にする? それともほんの少し、灯りをともしておく?

海外サイト『io9』によると、良質な睡眠をとるには「完全なる暗闇」という条件が必須項目なのだそう。

かくいう記者も真っ暗闇でないと、起きたとき、なんだか眠りが浅かったように感じられるひとり。みなさんのなかにもきっと、同じように感じている方がいらっしゃるのでは?

【明かりから抜け出せない現代人】

太古の昔、人間にとって「明り」とは、昼なら太陽光、夜なら月明かりもしくは火の光でした。それが今ではどうでしょう。最大で3万ルクス以上にもなる太陽光の照明度、また1万ルクスにもおよぶ日中の曇り空の照明度には劣るとはいえ、スタジオ照明の照明度は千ルクスもあるし、蛍光灯でさえも3百ルクス。

さらにはこういった照明だけでなく、スマホやPCの画面なども、立派な明り。そう、現代社会に生きている私たちは、いつなんどきも「明り」に囲まれて生活しているわけなのです。

【安らかな睡眠にとって光は「薬物」に等しい!?】

神経学者のジョージ・ブレイナード氏曰く、「安らかな睡眠に必要なのは、血圧・血糖値・体温、これらを低下させること。そのためには脳の睡眠サイクルを整えることが不可欠であり、これに必要なのが、暗闇なのです」とのこと。

体内時計の制御をしてくれるのは、視床下部細胞の一部『視交叉上核(しこうさじょうかく)』です。目が光をとらえるとき、同細胞が明暗信号を感知し脳に伝達するのですが、この一連の作業で体温は上がり、『コルチゾール』というホルモンが生産されます。本来夜にその濃度が低くなる同ホルモンが不自然に上昇すると、オフになるべき活動スイッチがオン、異常食欲や睡眠障害を引き起こす原因となってしまうのです。

一方で、暗闇の中で就寝した場合、私たちの脳にある『松果体(しょうかたい)』は大量の『メラトニン』を生産します。同ホルモンは別名「睡眠ホルモン」とも呼ばれており、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用が。さらには抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、病気予防や老化防止にも一役買ってくれるのだそう。

【就寝前はスマホ・PC操作は控えた方がいい】

良質な睡眠をとりたいのなら、寝室の照明を落とすだけでなく、就寝前のスマホ・PC・タブレット操作を控えることが鉄則。電子機器が発するLED光は特に、メラトニンを抑制するのに強い力を発揮します。

【夜間に浴びる明りがガンのリスクが高めることも】

女性1670人を対象に、完全な暗闇で就寝していたグループと、強度な光の中で就寝していたグループを10年間追跡し比較調査。すると、光の中で就寝していたグループはそうでないグループよりも、乳がんの発症リスクが22%も高かったことが判明したのだそう。ちなみに夜間シフトで働く看護師らの乳がんリスクも、日中勤務の女性たちより高かったことも明らかになりました。

【うつ病や免疫低下、さらには早期老化や体重増加をも引き起こす原因に】

昼は暗く夜は明るく、といったように昼夜逆転の照明環境の中へハムスターを置いたところ、彼らが軽いうつ状態を引き起こしたことが判明。しかしこれを元に戻したところ、症状は改善されたのだとか。また夜間の明りは、免疫系にも悪影響をおよぼしやすいみたい。

先に述べたように、メラトニンは老化防止にも一役買ってくれるホルモン。ということは不足すると逆のこと、つまり早期老化のリスクを高める可能性もあることは否めない模様。このことはマウス実験ですでに、証明されています。さらには異常食欲による体重増加や、メラトニンレベルが低いことで発症する糖尿病など、その悪影響は数え上げればキリがないほど。

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ふ~む、夜間明りに囲まれて就寝することに、こんなにもマイナスポイントがあったとは……予測できたこととはいえ怖ろしいっ! とはいえ「真っ暗闇の中じゃ眠れない」という方もいらっしゃるかと思うので、照明度は極力低く、また就寝前の電子機器操作は控えるか、むしろ禁じる。この点に留意して、お互い良質な睡眠を心がけたいものですね。

参考元:io9
(文=田端あんじ/ 画像=Pouch)

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