cc_14
はるか昔のお話。古代メキシコでは、カカオ豆は「神の食べ物」と呼ばれ、飲まれていました。これが今に伝わるチョコレートのルーツです。

一杯飲めば、ほかに何を食べなくても一日中歩くことができる程、力がみなぎったと言われるチョコレート。古代の人々には、魔法のような飲み物だと思われていたことでしょうね。

現代においても、魔力が宿っているとしか思えないチョコレートドリンクがあります。それが、イタリアのciccolata calda(チョコラータ・カルダ)。「要するにホットチョコレートでしょ?」とあなどるなかれ。湯煎チョコレートかと見まがうトロットロ感。幸福感を呼び込む、甘さと滋養に満ちたお味。そんじょこらのホットチョコレートなんて目じゃあないのです!! 

もしあなたが、仕事や人間関係にどっぷり疲れ、雪山でもないのに身も心も遭難しそうになっているのだとしたら、どうかこの秘伝のレシピを試してみて。体の底から温めてくれますよ。

ご紹介するレシピは、やはりはるか昔、四半世紀前のイタリアで、少女だった記者が知り合いのおばあちゃまから教わったもの。おばあちゃまはフォーク一本で大量のクリームを泡立てたりと、何かと大胆な方だったので、チョコラータ・カルダを頂いたときは、本当に「湯煎チョコレートくれた?」と思っちゃいました……実際にはコーンスターチでとろみを出していたのですね。古代メキシコでもトウモロコシの粉を入れていたとか! まさに古代から脈々と受け継がれるている感じがするじゃありませんか!?

チョコラータ・カルダのつくりかた

<材料>
cc_01
・牛乳 1カップ
・ビターチョコレート 100g(標準的な板チョコ1枚)
・コーンスターチ 大さじ1 1/2
・カカオパウダー 大さじ1 1/2
・砂糖 大さじ 1 1/2

<作り方>
1 チョコレートを刻み、小鍋に入れます。
cc_03
2 小鍋にチョコレートがかぶるくらいの牛乳(分量内)を入れ、弱火で溶かします。
cc_04
3 火をとめて、小鍋にカカオパウダーとコーンスターチを入れ、かき混ぜます。
cc_06
cc_07
cc_08
4 再び弱火で熱し、砂糖を入れてかき混ぜます。はじめは手ごたえがありませんが、段々ととろみがついてきます。
cc_09
cc_10
5 スプーンや泡だて器にくっつく程とろみがついたら、少しずつ残りの牛乳を足し、かき混ぜます。
cc_11
6 牛乳が温まったら、できあがり!!
cc_12
cc_13
cc_15

注意点:板チョコ1枚という量におそれるな! ひよって減らすと、魔力が失われるぞ!

せっかく作るのですから、このときばかりはダイエットは忘れてください。何なら砂糖もお好みで増やしちゃいましょう! 一回飲んだくらいでは、太りませんし、吹き出物大会にもなりませんよ。それよりも疲れた体と心を思い切りいたわってあげてくださいね。

(料理・撮影・文=大井たま)