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ここ数年間、「塩味シリーズ」の人気っぷりがとどまるところを知らない! 「塩焼きそば」に始まって、「塩麹」、「塩鍋」、新しいところだと「塩トマト」。とうとうスイーツ界にまでその手を広げ、「塩バニラアイス」や「塩チョコ」なんてものまで登場しています。

この「塩味」シリーズに、新しく『塩レモン』なるものが現れたのをご存知ですか? レモンを切って塩漬けしただけの、モロッコの調味料なのだとか(記者は友人のFacebookで知りました)。皮ごと使うので、無農薬じゃないと厳しい感じ。

『塩レモン』、柚子みたいに刻んでお味噌汁に入れてもいいし、実をペーストにしてお肉にすり込んでもいいし、エキスでイカのお刺身を食べてもいい、しかも2年も保存できるんですってよ!

唐揚げにはレモンかけるに決まってるだろ! むしろレモンをかけてから揚げろ! その後に追いレモンだ! ってくらいレモン大好きな記者がさっそくレシピを検索してみると……出るわ出るわ、「鶏手羽の塩レモン焼」「塩レモンと生クリームのパスタ」「塩レモンドレッシング」「塩レモン鍋」なんてのもある! わー、「砂肝とネギの塩レモン炒め」ですってよ! おいしくないわけがない! 考えただけでビールがすすむ! おかわり!

よーし、塩レモン作っちゃうぞー!

その場で無農薬レモンを検索、勢いで「広島産無農薬訳ありレモン・3kg/1980円」をポチってしまいました。3kgがどれくらいの量かなんて、たいして考えもせずに……

【レモン3kgが届いてしまった】

待つこと3日。
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レモン3キロ入りのダンボールが届いたYO! 
すごく……大きいです……この箱……。

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ひとかかえもあるダンボールを開けると、「訳アリ」感にあふれたレモンがぴったり30個入っていました。

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訳ありなので色も形も不揃い。ちょっと肌荒れしている子もいたりして。

いやいや、問題なのはルックスではなくて量です。どうしようこれ。ウチには、この子たちを全部収納できるビンなんかないよ。誰かにあげようかな……えー、でも、せっかく買ったんだし……2年も保存できるっていうし……

よし、まかしとけ。みーんなまとめて塩レモンにしてあげるよ! 

【塩レモン3kgの乱暴な作り方】

やけっぱちになってきました。入れるビンがないので、ポリ袋を使うことにします。最初はゴミ袋にしようかと思いましたが、そこは理性の力で引き返しました。ビンの場合はお湯で煮沸消毒するんだけど、ポリ袋を煮沸したらデローンと溶けてしまいそうなので……

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食器にかかっても安全な、アルコール除菌スプレーをシュッシュして消毒。

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そこに、きれいに洗ったレモンのヘタ部分を切り落とし、縦にカットして袋に放り込んでいきます。切っては入れ、切っては入れ……ああんもうっ! この作業、飽きるッ! 3個で飽きるッ! 10個切ったあたりで、レモンの強い酸で指先がヒリヒリしてきました。

キッチンに漂う、むせかえるようなレモンの香り。まるでトイレの芳香剤のようです。

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縦切りに飽きたので、途中から輪切りにしてみます。全部カットし終えるのに20分かかりました。もう当分、丸いものを切りたくありません。捨てようとしたヘタは、まとめると意外に量があるので惜しくなりました。ゆずピールの記事を思い出し、これでレモンピールを作ろうと思ってタッパーで丁寧に保存。ポリ袋に入っているカットレモンの方がゴミに見えてきます。

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塩レモンに必要な塩は、レモンの10%……ああ~、ヘタを取り除いてしまったために、重さがわからなくなってしまいました。ウチのスケールではこのレモン袋は重量オーバー。体重計を使いました。この体重計は4人分のデータをとることができますが、今回はレモンなのでゲストモードです。カットレモンの総量は2.7kgでした。

2.7kgの10%は270gです。レモンを3kg買うのは平気だったのに、一度に270gも塩を使うのは贅沢な気がして緊張します。

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土俵で塩をまくお相撲さんになった気分でドサッ。どすこい。

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塩が全体に回るように揉んでいると、早くも果汁がたまりはじめていました。

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本来、塩レモンはビン詰めにして1ヶ月かけて作ります。その場合、レモン汁とお塩が全体にいきわたるよう、数日おきにビンを揺すってあげればよいそうなのですが、こちらは不定形でグニャニャのポリ袋。瓶にくらべて空気に触れている部分も多いので、数日置きでは干からびたり傷んだりしてしまいそう。頻繁に動かすことにしました。

目に入るたびに、この3kgのレモン袋をヨイショっと持ち上げてはこねくり回すこと数日……袋の果汁はどんどん増えてタプタプに。塩が溶けているせいか、そのタプタプはシロップのようにドロリとしています。

4日目、すっかり日課になった「レモン袋こねくり作業」を元気よく行っていると……なんだか手がベトベトする! 舐めてみると、酸っぱい! そしてちょっとしょっぱい! レモンの重みと連日のこねくり作業に耐えかねて、袋の合わせ目が裂けちゃったんです! やっぱりポリ袋じゃだめだったみたい。何かに移し替えないと。

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酸が強いので、金属のフタがついたものは使えません。インスタントコーヒーの空き瓶と、麦茶用のポットのふたつにギッチギチに詰め込み、なんとか救うことができました。レモンがかなりしんなりしてきています。

塩レモン(のようなもの)できあがるまで、あと2週間。試しに一切れ食べてみると、マイルドすぎてビックリしました。レモンをそのまま噛んだときのような、酸で歯がキシキシする感じがありません。塩気もほんのり。鼻を抜けるレモンの香りは新鮮なままで目が覚めます! 皮にちょっぴり苦味が残っているけれど、できあがりはこの苦味もなくなっているんだって。途中は大変だったけど、これは期待できそうだー!

切って塩をまぶすだけ! の正しい塩レモンの作り方はこちら。ビンで作ってね!

【塩レモンの適切な材料】
・レモン お好きな量(できれば3kg以内)
・粗塩 レモンの重量の10%
・フタが金属製でない瓶

【塩レモンの適切な作り方】
1 よく洗ったレモンの水気を拭き、両端を切り落としてくし型にカットします。
2 煮沸消毒したビンに塩とレモンを重ねながら詰めます。
3 時々揺らして塩を溶かしながら室温で熟成させます。レモンから出る果汁が少なかったら、新しく足してもいいです。
4 1ヶ月ほどして、塩が完全に溶けたら完成! その後の保存は冷蔵庫でね!

レモンカット・撮影・執筆=綾部 綾 (c)Pouch
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▼ 底にたまっている白いどろどろが美味しいらしいんだけど、どうやって取ればいいんだろう……
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