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ここのところいろいろな経緯があって、日本とたいへん仲の悪い国・韓国。でも、こんな時期だからこそ、旅行をしてみることで興味深いさまざまなことに巡り会えるかもしれません。あんまり保証はしませんが。

とはいえ、記者の経験上、反日的なことを言う人がひとり人残らずいなくなれば、たぶんそんなに悪い国ではありません。たぶんとても空くでしょうし。残念ながらそんなことにはならないとはいえ、いちどは訪れて観光をしてみるといいでしょう。

今回は、韓国旅行をする際に注意しておきたいポイント・知っておくと得するポイントを、歯に衣着せない感じで15個ほどまとめてみました。これを知ってから行くのと、知らずに行くのでは、たぶん10000円と10000ウォンくらいの差がありますよ。

01. 日本に似た国、ではない。単なる「アジア」である。間違えるな

ものごとのさじ加減、衛生観念、約束など、いろいろな面において「アジア」なのがこの国。日本と似ているのはお箸でものを食べることくらいです。あとは何ひとつ似ていません。なによりもまず、このことを心得ておいてください。大事なことのでもう一度言います。あなたの行き先は「別バージョンの日本」ではなく「アジアンカントリー」です。

02. 衛生観念は日本の50分の1と心得よ

なかでも、「日本と似ている」と勘違いしていて一番ビビるのが、これ。一見きれいに見える飲食店でも、床はゴミと食べかすだらけ。基本あんまりお掃除しません。おそとに至ってはもう……。週末の繁華街の歩道とか、もう……。でも、それこそがアジア! きれいな街がよいのなら、日本に閉じこもっていなさいな。

03. ガイドの自慢とオススメの店は徹底的に無視せよ

安いツアーパックでソウルに行くと、もれなくガイドと宿までの送迎バスがついてきます。一見便利に思えますが、バスの中ではハンパな日本語を操るガイドによる変な自慢&お店ご推薦のワンマンショーが展開されます。全部無視しましょう。ガイドが言う「このお店がいいよ」は全部、ギャラをもらってそう言っているだけのこと。真に受けて得することなど何もありません。

04. 連れて行かれるおみやげ屋では何も買うな

安いツアーパックでソウルに行くと、もれなく邪魔なガイドとバスと、余計なみやげ屋への立ち寄りがついてきます。転売屋じゃないかと思うほどに、しょうもない品にさえ激高な価格がついています。でもツアーパックで行く以上は立ち寄りは義務なので、腕組みをして完全沈黙してやりすごしましょう。おみやげは街のスーパーか、面倒なら空港で買いましょう。

05. カロスキルやアックジョンにはブランドのお店があるけど,きみは何しに韓国に行くの?

ヨーロッパ製のハイブランドの商品の数々は、結局のところユーロの価格をもとに値段が決定されます。ウォンではありません。したがって、ソウルの高級ブランド街にある路面店に行って買い物をしたところで、特段安いものがあるわけではありません。日本で買いましょう。また巨大百貨店最上階部には観光客向けブランドエリアがありますが、某超ハイブランドの靴が1万ちょいで売られている……と思ったら靴の中敷きがとれてる、なんてことが余裕であります。

06. 英語はまず通じないと心得よ。one, twoさえもだ

たまに教育関連のお偉いさんが、韓国の英語レベルをすごく高く見積もった話をすることがありますが、とんでもありません。ご飯やさんの店員さんなどであれば、どんな英単語も知らないといって過言ではありません。「ワン・ツー」「ドリンク」さえアウトの場合があります。言語はまったく通じない、アジアの田舎であるということを再認識しましょう。外国なのですから、言葉は通じないほうが楽しいですよ。

07. 韓国初心者ほど明洞は避けるべし。日本人観光客向けの店ばかりである

ソウルの明洞(ミョンドン)は若者の集まるスポット、ということになっていますが、目立つところにあるショップや食べ物やさんの多くは日本人向け値段は徹底的に高く、質はこころゆくまで低いです。いいお店もあるにはあるのですが、乱立する観光客専用店の中から見つけ出すのはドロからダイヤを探すようなもの。仁寺洞(インサドン)や弘大(ホンデ)あたりのほうがずっとマシです。通過しましょう。

08. (日本式の)焼肉には手を出すな

ご存知のかたも多いかとは思いますが、日本人がイメージするような、「鉄板のロースターに切った肉を並べてカルビやロースを食べる」焼肉は日本で生まれたものです。韓国には存在しません。いや、正確には存在しますが、日本人観光客のために作られたものにすぎません。バカかと思うようなお高い価格ですし、大しておいしくもありません。それはそうですよね、韓国から見ればそれは「和食」なんですから。

09. タクシーをうまく使え

ふつうのタクシーは初乗りが200円前後と、日本に比べると激安です。ちょっとした移動をするにはとても便利。たまに道を偽って遠回りしたりするので注意が必要ですが、それもアジアだと思えば楽しいですよね。逆にそういう輩にこそ、チップを払って余裕を見せつけてやりましょう。すごい顔してくれますよ。ちなみに黒塗りのタクシーは「模範タクシー」といって比較的安全ですが、そのかわり日本のタクシーと同じような値段がかかります。黒いのを止めないように気をつけましょう。

10. コーヒーに気をつけろ

旅先でほっと一息つきたくなったとき、あると幸せなのがコーヒーですね。でも、日本人にとっては韓国のコーヒーは「飲まなかったほうがマシだった」と後悔するようなシロモノだったりします。普通の喫茶店で頼むと、紅茶とオーダー間違えたか、さもなくば日本人だと思ってナメているのか、と思うほどにウスい、とてもウスいものが出てきます。どうしてもコーヒーが飲みたいなら、世界基準の「スターバックス」に行きましょう。ただ、スタバの普及にともないこの韓国名物の水っぽいコーヒーは減ってきているという噂もあります。体験しておくのも悪くないかもしれません。

11. ワインは避けること。日本酒はもっと無理

日本の韓国料理屋などではワインを薦められることもありますが、韓国に行ったらワインを飲むのは最低のお金のムダです。韓国は輸入酒に異常な高額の関税をかけており、日本ならコンビニで買える1000円以下の激安チリワインさえソウルでは3000円したりします。冗談じゃないですよね。日本酒も韓国の子たちの間でブームではありますが、ひどい安酒が入っているようです。もちろん高額。

韓国ならではのお酒といえば「ソジュ」(韓国焼酎)であり、これはびっくりするほど安いので、せっかく韓国に来たのであればこちらをどうぞ。ほぼエタノールなので、口の中の牛脂をしっかり流してくれます。ちなみに日本が統治時代に残してきた文化遺産である「韓国産日本酒」も健在です。なぜか、目の玉が飛び出るほど甘いです。

12. へんな伝統マッサージを信用するな

金箔マッサージだのマッコリ美容だの、お前それこないだ考えたばっかりだろ、みたいなものが「5000年の伝統」なんて銘打たれて登場するのが韓国。もちろん韓国人はそんなところには行きません。客はカモられた日本人観光客だけ。残念ですね。韓国ならではの美容系体験がしたいなら、明洞に多いうそっぱちの半万年美容などではなく、地元の人々が愛するチムジルバンに行きましょう。昭和30年代のようなテイストの韓国式巨大サウナ施設で、韓国の人たちの憩いの場です。

13. 人々が想像のつかない挙動をするので気をぬかないこと

歴史的な家屋が立ち並ぶ「北村」の細い路地にでかいバンで強引に入り、文化遺産の家屋を破壊しながら突き進むオッサン運転手。市場で商品を見ていて買わずに立ち去ろうとすると激怒するお婆さん店主。店先で、血管がキレて死ぬんじゃないかと思うほど激怒して自分のメガネを地面に叩きつける客。どれも実話です。距離をとって観ているぶんにはとても楽しい出し物ですが、近づくと巻き込まれるのでくれぐれも注意を。

14. 自慢話は聞き流せ

「東京タワーよりもソウルタワーのほうが優れている。なぜなら、山の上に立っていて迫力があるから」……こんなふうに、次元が低すぎて土中に埋まりそうな自慢をかましてくる人が多くいる国です。でも、そんなものにいちいちイライラしていては、10円ハゲができすぎて丸坊主になってしまいます。おならみたいなものだと考えて、スルーしましょう。

15. 食は屋台にあり

本場の韓国グルメに舌鼓を打ちたいならば、店よりも屋台がおすすめ。やはり市場の屋台、ソウルであれば広蔵市場のそれは経験しておくべし。海産物もよいけれど、ここで豪快に売られているチヂミはニンニクたっぷり、意外なほどに美味なのでおすすめです。はい? 衛生ですって? そんなことは日本に帰ってから考えましょうよ。

いかがでしょうか? 多少なりとも、韓国のイメージが変わったのではないでしょうか。要するに、ウソと自慢さえ上手にかわせば温かい国であり、清潔を期待しなければいろいろな珍しいものに巡り会える場所だということ。海外旅行には多少の骨があったほうが面白い、と考える方はぜひ、訪れてみてください。そうでない方も、どうぞ。きっと一周回って、好きになっちゃいますよ。

撮影・執筆=朴博士(パクパクサ) (c) Pouch

▼都心の繁華街以外では、英語表記はほぼ皆無
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