IMGA0978
動物のもっている「癒し」のチカラって、意外と効能が高いんです。動物と触れ合うことでストレスを軽減できる、あるいは自信を持てる、など、精神的な疲労回復効果があると言われています。

だがしかし、常に癒しを求めている筆者ながら、野良ネコさまを見つけては近づきそして逃げられる日々。「動物触れあいパーク」的な場所に行けば、家族連れやカップルのみなさんを前にどうも遠慮がちになる始末……。なんとかタイミングを見計らって動物たちにエサを貢いでみるものの、まったく相手にされないなんてことも多々ございます。

「モ……モテないのは人間だけで十分なんだからぁああ!!」と思っている筆者に、究極の朗報が届きました。なんと、とんでもなく動物さんからモテモテになってしまうという場所があるというのです! モテたい!! 温もりがほしい!!! 愛情が欲しい!!!! 

ということで心ウキウキにして、取材に出かけてみることにしました。

■ まさかの「お寺」!!

目的の場所は動物園でもなく牧場でもなく、なんと日本三大観音のひとつ名古屋の大須観音。日本三大観音のひとつというだけあって、朱に塗られた鳥居や山門や本堂が大変に立派。ちなみに名古屋の浅草とも言われてるそうです。あれ、よくよく見ると鳥居や山門など、いたるところに鳥除けが張り巡らされているよ。まぁ、確かに鳥のフンとか朱色の外観にはそぐわないもんね……と、このときは悠長に構えておりました。

IMGA0979

■ ここが「ハト地獄」であると察するまで0.05秒

鳥居をくぐって初めて異変に気づきました。なんと、地面・本堂の屋根・大樹など、ありとあらゆるところに尋常じゃない数のハトが居座っているのです。

ハトにエサをあげている人たちは、肩に乗せたり頭に乗せたりとなんだか鷹匠のようでしたが、まったく羨ましくない筆者。ハトのあの鋭い爪、尖ったくちばし、そして最悪のフン落とし……。わずか数秒で色んな恐怖が駆け巡ります。うぅ……、けどわざわざ名古屋まで来たんだし、堪能しないと損だよね。と、覚悟を決めていざエサ小屋へ!
4
2

■ 鳩たちの目がマジすぎる

エサ小屋に到着してエサ代を支払っていると、ハトたちとえらい目が合います。刺さる視線が痛すぎるほどに、奴らマジな目をしています

そ、そうか……私は、ハトたちの「獲物」なのね……。己のなかで眠っていた野生の本能が危険を察知するも、ときすでに遅し。私にエサが渡されると、小窓がピシャンッ! と閉められた! と同時に、そのエサめがけて大量のハトたちが突撃してくるかのごとく集まってきたあぁ……!! 肩や腕にとまりまくるハトたち。マジでこれは地獄ダァァ!!! 悲鳴あげてもヤツらは聞くわけもナシ、も、もう好きにしてくれ……。
IMGA0991-2

■ だが慣れてくると「ハト地獄」から「ハト天国」へ

ハトがもうトラウマレベルで大量に集ってくるのですが、だんだん心に余裕が生まれてきます。なんというか、ハトたちがとても温かいんです。腕や肩にとまったり、飛び立ったりを繰り返しているうちに、筆者はヤツらにぬくもりを感じ初めていたのです。この子たちも私と同じ温かい血が流れているのね……なんてね。

最初はあんなにイヤだったのに、今ではエサに群がるハトたちの必死な様子に、“萌え” を感じるほどです。「か…かわええ……こういうの求めてたのよ私は!!」と心を開き始めた頃には、無情にもエサはカラに…。ハトたちは他のエサを持つ人のところへ飛び立っていったのでした。
6
3
1

【まとめ】

ハトの群衆にエサをあげることで、あたかも自分が “エサそのもの” にでもなったかのような気分を味わえました。ハトに食われる、つまり食物連鎖の下の方にまぎれこんだ気分が味わえるので、生き物全般の尊さも学ぶことができます。

カワイイだけのふれあい動物に飽きた人、名古屋と言ったら名古屋城では物足りない人、手羽先よりもハトが好きな人はぜひ1度足を運んでくださいませ。

【場所】
大須観音
愛知県名古屋市中区大須2丁目21-47

取材・撮影・執筆=百村モモ (c) Pouch

▼おまけ 鳩が止まった後のうすーく残る爪痕。

1