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[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画の中からおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回は、日本が誇る大人気怪獣『ゴジラ』シリーズをハリウッドがリブートした映画『GODZILLA ゴジラ』(7月25日公開)をピックアップ。ゴジラ映画は1998年にハリウッドが製作していますが、これはもう「ウチのゴジラに何してくれんの!」とゴジラファンが怒った映画でした。

巨大トカゲみたいなゴジラでしたからね。その点、2014年版の『GODZILLA ゴジラ』は日本のゴジラをパワーアップ! オリジナルのまんまとは言いませんが、98年版のゴジラよりもゴジラです。それにあのゴジラの叫び声を聞くと「これこれ!」と思ったりします。

【物語】

1999年に日本の原子力発電所で謎の振動により放射能事故が起こります。そして15年後、原子力の事故で妻を失った科学者ジョー(ブライアン・クランストン)は、原子力事故の謎に取りつかれ立ち入り禁止区域に入り捕えられてしまいます。そんな父を追って日本に来た米海軍の息子ジョー(アーロン・テイラー=ジョンソン)。二人は研修施設へ連行されますが、そこには巨大な怪獣の繭があり……。

【若き映画監督のゴジラ愛】

この映画を演出したのは若き映画監督ギャレス・エドワーズ。聞いたことない?そうでしょう、2010年に『モンスターズ/地球外生命体』を手掛けた新人監督ですから。なぜこのような大作にスピルバーグ級のベテランではなく、新人監督を? と思うでしょう。それはエドワーズ監督は、誰よりもゴジラを愛してきたゴジラ愛の強い監督だからです。

日本の怪獣映画を見て育ったという英国人のエドワーズ監督は、1954年のオリジナル映画を見てこう語っています。

「日本人以外の多くの人が気付かないと思うけど、オリジナルの映画『ゴジラ』には、時代性を兼ね備えた真摯なメタファーがあるんだ。だからこそ、ゴジラは日本文化に受け入れらたんだと思うよ」

なるほど! そういうエドワーズ監督ですから、今回の『GODZILLA ゴジラ』も時代を捉えています。原子力発電所からの放射能事故が、この物語の発端になっていますからね。東北大震災のあと原子力発電所で何か起こったかを私たちは知っています。この映画は社会派ではないけど、エンタティメントの形を通して、その危険性、破壊力を映画で伝えているようです。ゴジラには敵対する怪獣もいますが、それも然りです。

【闇を切り裂くゴジラの雄叫びにひと苦労】

あの雄叫びだけで「ゴジラ来た!」とわかるほど印象的なゴジラの声。あの音を作り出すことがシロウトには特に難しそうに感じないのですが、実はあの雄叫びを作りだすのは大変だそうです。なんと1954年版の『ゴジラ』のあの雄叫びは、松ヤニを塗り付けた革手袋でコントラバスの弦を引っ張り、再生速度を調整して雄叫びに特徴を加えていったとか。

製作のトーマス・タルは、

「ゴジラの雄叫びはごまかしたり、適当に作ったりできないんだ。唯一無二の音であり、再現するのは不可能だと思っていたよ。あの音は出せない……けど、今の技術でできる限り忠実に作ろうとしたんだ」

結果、何百種類という音を録音し、その中から鳥肌が立つような音の組み合わせに巡り逢ったのです。それがハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』で使われている、あの雄叫びなです。

【ゴジラとはサムライである?】

この映画を作るにあたって、スタッフが目指したのは「ゴジラがゴジラに見えること」だったという。この当たり前のことが意外と難しい。前述のタル氏は、

「自分たちが見て育った昔ながらのゴジラのシルエットから離れすぎることなく、今日的なリアリティを盛り込むことが重要だった」

と語っています。そしてエドワーズ監督は

「現実にゴジラがいたらどうだろうとか、みんなで徹底的に話し合ったよ。そして人間だったら、どんな人だろうとも。そしてきっと最後のサムライじゃないかなと。できれば世の中のゴタゴタから離れていたいけど、やむなく表舞台に出てきた孤高の戦士だってね」

ゴジラがサムライという発想は仰天ですが、ゴジラの登場シーンは、確かに御大登場! というスペシャル感がありました。それだけ監督ほかスタッフがゴジラに気を使っているというか大切にしているのだなあと愛も感じたりして。

怪獣バトルはエドワーズ監督のゴジラ愛が満ち溢れ、大迫力です。ただひとつだけ言わせてもらえば、もうちょっと3D感を活かしてほしかった。想像したよりも、3D効果を感じることができなかったところがちと残念でした。とはいえ、ゴジラ映画なら男子を誘いやすいですからね、デートムービーもありですよ。

執筆=斎藤 香(c)pouch
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『GODZILLA ゴジラ』
7月25日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー
監督:ギャレス・エドワーズ
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン、ブライアン・クランストンほか
(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC

▼海外ドラマ「ブレイキング・バッド」の主人公を演じるブライアン・クランストンさんが科学者ジョー役で登場だ! また科学が専門なのね!!(by同ドラマのファン・編集める)
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▼予告編(日本語版)

▼予告編(英語版)