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人は生きていれば必ず、「大切な人の死」という、避けることのできない別れを経験します。

時すでに遅し、という言葉がありますが、これはわかっているつもりでも誰もが体験すること。「あのときこの言葉を伝えることができていれば」、そんな後悔を抱いたこと、きっとみなさんにもあるかと思うのですが、いかがでしょうか。

本日ご紹介するのは、鎌倉新書が事務局を務めるコンテスト「今は亡きあの人へ伝えたい言葉」

亡くなられた大切な人に対する思いを「手紙」というかたちで公募した同コンテストは、今年で5回目。全国から1928通もの作品が届き、このたび入賞作品が発表されました。

入賞作品および佳作は、今年の11月末頃に出版される予定だそうです。1位にあたる金賞を受賞したのは、福岡市に住む末吉美恵子さん作「心配性の母さんへ」。心あたたまるお手紙なので、ぜひ読んでみて欲しいです。

また公式サイトには、過去入賞を果たした作品がたくさん紹介されています。戦争で命を落とした父親に宛てた手紙や、自分より先に逝ってしまった娘へ宛てた母親からの手紙、さらには愛する祖母に宛てた孫からの手紙など。各々その状況は異なるけれど、大切な人に対する思いというものの根底には共通したなにかがあるのだということを、強く感じずにはいられません。

思い返せば記者はごくごく近い近親者を亡くしたときに、まったく泣くことができませんでした。高校生、そして大学生の頃で、さほど幼かったわけでもないのに、なぜだか1粒も涙がこぼれなかったのです。

今思えば、あのときの自分は、起こっている状況を受け止めきれていなかったのだと認識できます。だから年月が経ち、その人たちを思って涙を流すことができるようになった今、同コンテストに寄せられたような手紙を書いてみようという気になりました。

みなさんは、大切な人を亡くされた経験はありますか? 今改めて、その人に向けて手紙を書く、そんな時間を作ってみても悪くないのではないかと思います。

参照元:今は亡きあの人へ伝えたい言葉
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼今からでも、遅くはないのかも