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「当面、広島県内在住者のみを受け付ける」(広島市災害ボランティアセンター)。受け入れが困難などの理由で、人数制限がやむを得ない状況にあるボランティアの募集。

30日(土)は募集人数1500人のところに3000人以上が集まり、予定していた人数よりも上回る人数を起用したものの多くの志願者が帰されたという。被災者からは、必要な労働力なだけにもどかしむ声も。

県民でさえ受け入れ困難な状況にあるのであれば、県外からのボランティアは到底受け入れられないだろう……と思っていたら、ボランティアセンターを通さずに個人でボランティアに臨む姿も多く目についた。

【個人参加者の声】
被災地のひとつ緑井地区の最寄り駅で見かけた、泥だらけの姿でスコップを持つ会社員男性ふたり。民家に流れ込んだ土砂を取り除く作業をしてきたという市内出身の彼らは、個人で現地へ向かったという。「人の手はまだまだ欲しい状態。継続しないとならない」「実際に来てみないとわからないから」と口々に話す。ボランティアセンターを通す時間さえも惜しいといった様子。

大学の同級生同士で参加していた学生も、自分たちでできることは一刻も早く行動したいということで個人的に参加。

・どこに行けば作業ができるかわからない
一方、ボランティアセンターの当日の募集〆切時間に間に合わず、個人的にそのまま直接現地に出向いたというカップルは、「来てみたは良いものの、どこに行けば作業をさせてもらえるのかわからない。どうしたらいいんでしょう」と困惑する姿も。個人参加は、行ったは良いが結局なにもできなかった……ということにもなりかねない。

【被災地住民の声】
被災地の目と鼻の先を歩いてた大学生ふたりに話を聞くと、ひとりは実家が被災に遭い、一緒にいる後輩に土砂を取り除く手伝いをしてもらったという。もっとボランティアが必要か? と聞くと「敷地が狭いから(手伝いを)断ったこともある。スコップではどうにもならない。重機じゃないと……」

ただ、住民のなかには、「細い路地裏も多く重機が入らない地域も多い。人の手じゃないとどうにもならない」という意見もある。

【個人参加は推奨できない…けれど】
個人参加の場合は懸念されることも多い。災害ボランティアセンターによると、「万が一、ケガや想定しない事態が起こったときに対応が遅れるなど、個人参加は推奨できない」と話す。

何か被災者の助けになりたいと、個人参加をしたくなる気持ちもわかる。ただ、絶対に二次災害に遭わないとは言い切れない。救援物資や消防隊などの足手まといにならないようにもしなくてはならない。募金をするなどできることは他にもあるが、早くなんとかして欲しいという住民の希望もある。いずれにしてもボランティアに参加される方はくれぐれもお気をつけて。

参考:広島県災害ボランティアセンター(facebook)
トップ画像= 八木地区におけるボランティアの作業風景
取材・撮影・執筆=める(c)Pouch

▼緑井地区の様子。依然として混沌とした状況がつづく
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▼ボランティアはこのような格好で臨もう
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