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春はお花見、夏はバーベキュー、冬はお鍋や年末年始とお酒を飲む口実があります。でも、秋ってあまり目立った「飲むきっかけ」がありませんよね。でも、秋だって何かきっかけがあったら楽しいかも!

そう思って調べてみたところ、ありました、ありました! 今日9月9日は重陽の節句。江戸時代に幕府が公的な行事・祝日として定めた節句には、1月7日(人日、七草の節句)、3月3日(上巳、桃の節句)、5月5日(端午、勝負の節句)、7月7日(七夕、たなばた)、9月9日(重陽、菊の節句)がありますが、どういうわけか9月9日だけ人々から忘れ去られちゃってる! だけど、重陽の節句には、菊酒を飲むという風習があるそうなのです。

菊酒! 美しい響きではありませんか!

さっそくレシピを調べてみたところ、いろいろとあたってみるに、菊酒には3種類の作り方がある様子。1つは菊の香りを移した水や米で日本酒の仕込みをするという方法。2つめは日本酒に菊の花を散らして楽しむ方法。3つめは菊の花を梅酒のように焼酎で1ヶ月間漬け込む方法。1つめの方法はハードルが高すぎるので、2つめ、3つめのものを紹介します。

【日本酒にちらす菊酒】
<用意するもの>
・ 食用菊 1輪
・ 日本酒 1杯(お好きな容器で!)
<作り方>
1. 菊をよく洗う
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2. 日本酒に花びらを数枚浮かべる

簡単すぎですね! 花びらを2、3枚浮かべたくらいでは香りは感じられません。「もっと菊の香りを堪能したい!」と思う人は、ワイングラスに日本酒を注ぎ、豪快に1輪浮かべてそのまま飲むのがオススメ。香りがふわっと漂います。
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【焼酎に漬け込む菊酒】
<用意するもの>
・ 食用菊 200g
・ 焼酎(ホワイトリカー、アルコール度数35度以上のもの) 900g
・ 氷砂糖 100g
菊酒の作り方は、一般的な果実酒と同じです。分量は、食用菊:焼酎:氷砂糖が2:9:1。作る容器に合わせてこの比率で調整してください。アルコール度数35度以上のほうがいいのは、度数が高くないと菊の成分が抽出されにくく、熟成しにくいから。また度数が低いと傷んでしまう可能性もあります。

<作り方> 
1. 菊を洗い、よく水気を切る
2. 菊と氷砂糖を交互に容器に入れ、焼酎を注ぐ
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3. 密閉して冷暗所に1カ月以上保管!

残念ながら1日ではできあがりませんが、ちょうど旧暦の重陽の節句ころに飲み始められるようになるのでお楽しみにね! 花の色と香りがお酒にうつってきれいな黄色になるはず!

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お酒に使わなかった食用菊は、おひたしにしても良し、天ぷらにしても良し、食事の飾りとして使っても良し。重陽の節句=菊の節句に、ぜひ菊と菊酒を楽しんでくださいね〜。1カ月後の旧暦の重陽の節句の頃も楽しみ!

料理、撮影、執筆=山川ほたる (c) Pouch