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9月末から10月にかけ、日本を立て続けに襲った大型台風18号と19号。これらにはそれぞれ、ファンフォン(動物、の意)、ヴォンフォン(スズメバチ、の意)という名前が付いているということをご存知の方もいらっしゃるでしょう。

日本の気象庁では毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後発生した順番に名前を付けていくため、我々日本人にとっては数字の方がよりなじみ深いもの。

【平成12年から固有の名前を付けることに】

ですが今から14年前の平成12年、北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織「台風委員会」(日本ほか14カ国等が加盟)の取り決めにより、同領域内で発生する台風には、加盟国などが提案した同領域内で用いられている固有の名前を付けることになりました。

【 “140の名前を繰り返し付ける” というシステム】

この名前の付け方が、なんともユニーク。というのも、あらかじめ用意された140個の名前を順番に付けていき、最後まできたら、再び1番目の名前が付けられるという「繰り返し」システムだから。あまりに被害が大きかった台風に関しては、その名前を後の台風に使用しないよう変更することもあるそうですし、また台風の発生場所によってはこの140以外の名前が付けられる場合もあるそうですが、ね。

【名前のインパクトがすごい】

そしてね、名前の付け方同様、名前そのものもまたユニークなの。ファンフォン・ヴォンフォンも、ツイッターなどで「パンダかよ」などと話題になったほどインパクトが大きかったけれど、その他の名前も負けず劣らず興味深い。

【特に奇妙な名前をピックアップしてみたよ】

風神や雷神、海神、伝説の女神など神様の名前。あるいは「速さ」を感じさせる名前や「速さ」そのものを意味する名前、人間の名前などは、まあ普通。でもなかには、「コレは……?」という名前もチラホラあるんですよねぇ。以下は主にその意味を知って、妙に記者の心に残った名前15、ひとまず見てみてください。

2 ハイクイ/意味:イソギンチャク (命名/中国)
11 ケーミー/意味:蟻(あり) (命名/韓国)
16 ウーコン/意味:(孫)悟空 (命名/中国)
21 バビンカ/意味:プリン (命名/マカオ)
26 マンクット/意味:マンゴスチン (命名/タイ)
53 ノグリー/意味:タヌキ (命名/韓国)
66 ハグピート/意味:むち打つこと (命名/フィリピン)
69 ヒーゴス/意味:いちじく (命名/米国)
97 オーマイス/意味:徘徊 (命名/米国)
101 ミンドゥル/意味:たんぽぽ (命名/北朝鮮)
107 ライ/意味:ヤップ島の石の貨幣
108 マラカス/意味:強い (命名/フィリピン)
114号 ハイマー/意味:タツノオトシゴ (命名/中国)
127号 ネサット/意味:漁師 (命名/カンボジア)
135号 グチョル/意味:うこん (命名/ミクロネシア)

「プリン」「いちじく」などの食べ物、あるいは「たんぽぽ」などはエラく呑気なイメージを感じさせるし、「イソギンチャク」「タツノオトシゴ」なんかもジワリときますよね。なかでも記者個人的に最もグッときたのは「マラカス」、陽気な響きを持つ名前なのに、意味が「強い」。このド直球なネーミングセンス、そしてギャップがたまりませんっ。

【日本は星座の名前から命名】

ちなみに気になる我が国日本はと申しますと、「てんびん座」「やぎ座」など、星座の名前に絞って命名しているようです。綺麗だし無難な選択かと思われますが、他国の斜め上のセンスが眩しく見えてしまう、そんな印象も受けました。

そのほか140すべての名前を知りたいというあなたは、下記気象庁公式ホームページをチェック。あなたの心に刺さる名前を、見つけてみてはいかがでしょうか。

参照元:気象庁
執筆=田端あんじ (c)Pouch