shika

「うわああ……可愛いけど、いくらなんでも多すぎるでしょ……」

一目見た瞬間、思わずこんな言葉が口をついて出てしまう。そんな動画が、地域団体「Tight Lines and Big Tines」によってフェイスブックに投稿されておりました。

同サイトによれば、撮影場所は、鹿で有名な奈良県・奈良公園付近。というわけで「多すぎる」のは鹿、鹿の数なのでございます。

【見渡す限り、鹿・鹿・鹿!】

見渡す限り、鹿・鹿・鹿。道路いっぱいに群れをなし、重なり合うように座り込む鹿。ある者は植え込みの草木をむしゃむしゃと食べ、またある者は、堂々と車道のど真ん中に鎮座。

【奈良ではおなじみの光景ですが……】

奈良に1度でも行ったことがあるならば、これはもはやおなじみの光景であるということを、ご存知なはず。しかしながら、こうして改めて見ると、壮観です。「我が物顔で」という表現がまさにドンピシャ、初めて目にした方であるならば、不安にすら感じてしまうことでしょう。

【投稿者のコメントをきっかけに議論へと発展】

「かつて鹿は神聖な生き物とされ、そのため彼らを殺すことは、極刑に値する罪でした。あなたは、どう思われますか?」

動画には、このようなコメントが添えられています。投稿している団体の情報を見るに、彼らは「保護に関心のあるハンターおよび釣り人のためのオンラインコミュニティー」であるとのこと。

【海外視聴者の声】

以上を踏まえた上で、海外視聴者の方々からは、次のような声が寄せられておりました。

「彼らは誰のことも、悩ませてはいないよ」

「私は7年間日本に住んだことがあるし、この場所にも行ったことがあるので知っている。すべての鹿が道路を占拠しているわけではない、一部のそういった鹿に、カメラをフォーカスしているだけ。この道路の端に鹿が観光名物となっている有名な “奈良公園” という公園があって、ウエハースをあげると、小鹿さえもお辞儀をしてお礼を言ってくれる。ここを通るドライバーは皆そのことを知った上で注意深く運転しているし、批判をする前に、この地に行ってみたほうがいいのでは」

【日本人視聴者の声】

一方、日本人と思われる方からも、次のようなコメントが。

「文化的背景を知る前に、審判を下すべきではありません。奈良は何世紀もの間、宗教的観点から、鹿に山から下りることを強制しませんでした。我々は平和的に共存しているのです」

【鹿による害がないわけではない】

日本人ならほとんどの方が、コメントにある事ごとをご存知なはず。ただし「奈良教育大学」によって発表された「奈良のシカによる農業被害対策の理念と現実」によれば、近隣農家のみなさまは長年、鹿による害に悩まされているとのこと。そう考えると「誰のことも悩ませてはいない」というわけでは、ないのよね。

しかしながら海外視聴者のみなさま、奈良の鹿についてよく知っておられて、そのことにまず驚きました。彼らって、世界的に有名なのねぇ!

思わぬ議論に発展した、「鹿だらけ」動画。文化的背景を知らないままこの映像を観たら、まあたしかに、異常事態だと思っちゃうかもね……。

参照元:Facebook
参考:奈良のシカによる農業被害対策の理念と現実
執筆=田端あんじ (c)Pouch