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今年2015年は、ルイス・キャロル著「不思議の国のアリス」初版刊行150周年。それを記念して来る4月25日(土)、日本語版「不思議の国アリス」の決定版ともいえる1冊が、亜紀書房より発売されます。

1976年に刊行された、訳書デレック・ハドスン「ルイス・キャロルの生涯 不思議の国の数学者」(東京図書)。さらには1981年、ルイス・キャロルに取材した原稿などを軸に刊行した単著「アリス狩り」(青土社)などで知られる、翻訳家・書評家の高山宏さんによる完全新訳。

そしてイラストを担当するのは、人気絵本作家でありイラストレーターの佐々木マキさん。彼(女性ではなく男性です!)による描き下ろしイラスト約50枚に彩られた、なんとも贅沢な仕上がりになっているみたいなの。

【高山さんの新訳、もうそれだけでワクワクが止まらない!】

ルイス・キャロルに関する文献をいくつか出版しているのみならず、「学魔」と呼ばれるほどの博識さでも知られる、高山さん。「奇想」「異端」というものを常に追い求め、文学のみならず、美術・建築・文化史・思想史・哲学・デザインなどなど、数多のジャンルに触れた各種論文およびエッセイを執筆してきた彼による「アリス」新訳。

「でも――こんな生き方、ふしぎじゃない。おとぎ話を読んでても、そんなこと、絶対起こらないと思っていたけど、いまはこうやってそのど真ん中よ!」

本書にあるこちらの一節を読んだだけで、自ずと、期待に胸が膨らんじゃう……!

【「やっぱりおおかみ」の佐々木さんがアリスを描く】

さらにイラストを手掛ける佐々木さんは、伝説のマンガ雑誌「月刊ガロ」でデビュー、以後ナンセンスかつ前衛的な作風を活かした絵本「やっぱりおおかみ」(福音館書店)「変なお茶会」(絵本館)などで知られるお方。村上春樹さんによる初期小説「風の歌を聴け」(講談社)らの表紙イラストを手掛けてきた、と聞けば、ピンと来る方もいらっしゃるのではないでしょうか。

【さらに装丁は、祖父江慎が担当するんだって!!】

そんなお2人が、タッグを組んだ。それだけでも鳥肌モノだというのに、さらに装丁を手がけているのは祖父江慎(そぶえ しん)さん+cozfish(コズフィッシュ)だというのだから、もうたまりません。

【日本を代表するブックデザイナーです】

意図的な乱丁や斜めの裁断など、装幀の常識を覆すデザインで知られる祖父江さんが手掛けてきたのは、しりあがり寿さん著「エレキな春」(白泉社)、松本大洋さん著「GOGOモンスター」(小学館)など数知れず。あの「ほぼ日刊イトイ新聞」でもたびたび取り上げられている、日本を代表するブックデザイナーなのです。

この錚々たる顔ぶれをみれば、同書が “日本語版「不思議の国アリス」の決定版” というのも、頷けるはず。お値段も1650円と大変お得ですので、発売された暁にはぜひとも、手にとってみてはいかがでしょうか。

参照元: 亜紀書房 亜紀書房ツイッター
執筆=田端あんじ (c)Pouch

▼佐々木マキさんのアリス、可愛い!