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耽美な世界観と、端麗な文章。作品ごとにその語り口ががらりと変わる多様さ。

通俗性と芸術性を併せ持った純文学作品を数々世に生んだ文豪、谷崎潤一郎さん。彼の半生や彼の小説をモチーフに、谷崎文学の魅力をマンガ化していくという試み、ウェブ連載「マンガアンソロジー谷崎万華鏡」が、5月1日(金)より中央公論新社のサイトでスタートしています。

11名の作家が、毎月1名ずつ登場。テーマにそってそれぞれ描かれる「谷崎潤一郎の世界」は、果たしてどのような様相なのでしょう。

【「作家の半生をフィーチャー」した作品……気になる……】

「痴人の愛」「春琴抄」「細雪」「鍵」「猫と庄造と二人のをんな」…..名作と呼ばれる.題名を挙げたらキリがない、その艶やかな世界。これら小説だけでなく、作家の半生までもがテーマとして用いられている点も、非常に興味をそそられますよねぇ!

【第1弾は久世番子「谷崎ガールズ」】

第1弾として公開されたのは、文豪の魅力を語り倒す「よちよち文藝部」などのコミックエッセイがベストセラーになった、久世番子さんによる作品「谷崎ガールズ」。生涯で3人の妻をもった谷崎さんの半生をコミックエッセイで紹介する、といった内容になっているようなのですが……。

【 “谷崎が愛した女性たち論” にププッ】

「(谷崎作品には)とにかくSっ気あふれる女王様が沢山でてきます」
「若く美しく華やかでわがままな女性を愛した谷崎潤一郎。そうでない女性には冷たいです」

……と、こちらは「谷崎ガールズ」にある一節。文豪・谷崎先生が夢見、描いてきた女性たちと、現実世界で彼と対峙してきた女性たちを的確に評している記述に思わずププっ。

【谷崎作品の女性たちは、揃いも揃ってなかなかハードコアです】

そうそう、ほんとにね、谷崎作品に出てくる女性たちは魅力的な女王様ばかりなんですよ。そのことに関しては、谷崎作品を読まずとも、久世さんによる同作を一読していただければスグにおわかりいただけると思います。まあ言うなれば、日常生活を一緒に営むにはスリルがありすぎて、フツーの男性なら胃に穴が空きそうなタイプの美女ぞろい、とでも申しましょうか……。

【今後も気力的な作家陣が続々登場するよ☆】

なお今後登場する作家陣には、今日マチ子さんしりあがり寿さん・高野文子さんなど、魅力的な顔ぶれが勢ぞろいしております。毎月1日が楽しみになることウケアイな同連載、谷崎作品を知っている方もそうでない方も、とことん堪能してみてはいかがでしょうか。

参照元: マンガアンソロジー谷崎万華鏡 中央公論新社
執筆=田端あんじ (c)Pouch