2015_05_soltyyogurt014全国の独り身呑んべえのみなさん、こんにちは。今日はなにを肴に呑んでいますか? 手軽ないいおつまみがないなーという方、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。

昨年、「ぬか床とずっと一緒に暮らしていこう」と決意したばかりのわたしですが、年末に断捨離を試みた際、勢い余って愛するぬか床君までも捨ててしまったのでした。

最近はもう、ずいぶんと暑くなってきましたね。スーパーの店頭にみずみずしくてつややかなお野菜が並ぶのを見て、わたしはまた、ぬか漬けが恋しくなってしまいました。もういちどやり直そうか……でもまた裏切って捨ててしまうのではないか。そも思うと、心が痛んで踏み切れませんでした。

そこでわたしは、ぬか床にかわる新しい存在……新しい「おつまみの源」と出会ってしまったのです。

それは、『塩ヨーグルト』!!

■ 塩ヨーグルトって何?

塩ヨーグルトとは、その名のとおり「プレーンヨーグルトに塩を入れたもの」。そのままマヨネーズのように使うのもよし、ちょっと水切りをして堅めに仕上げディップにしてもよし。はちみつをかけると甘じょっぱいデザートにもなります。水切りしたあとの乳清(ホエー)も料理に使えて無駄がない、フレッシュでお利口さんな新しい食材兼調味料です。

ヨーグルトは発酵食品。この塩ヨーグルトに野菜を漬け込んだら、ぬか漬けのような新しいお漬物ができるのではないか、と思いつきました。恋の予感に心が躍ります。

■ 塩ヨーグルトでお漬物を作ろう!

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まず、お野菜を用意します。用意したのはお漬物の定番であるきゅうりとにんじん、大根に新ショウガ、みょうが、オクラ。久しぶりに作るお漬物ということでテンションが上がって、ちょっと買いすぎてしまいました。

切り方は、野菜スティック状が基本です。ぬか床の場合だと、丸ごとのにんじんや新ショウガは2週間くらい漬けていても平気なのですが、塩ヨーグルト床は再利用を前提としないので、ずっとお付き合いするわけではありません。一日限り、一度きりの刹那な関係です。

ニンジンや大根、新ショウガは、洗ってそのまま食べられるように、最初から細く切っておきます。オクラやミョウガはそのままで。きゅうりやナスなどの漬かりやすいお野菜は、あとから縦にカットできるように、長さだけそろえておきましょう。

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続いて、塩ヨーグルトを作ります。通常の塩ヨーグルトの場合は水切りをしてから塩を入れるようですが、塩ヨーグルト床の主役はお野菜です。先に塩を入れましょう。分量は、ヨーグルトの重量の3%程度がちょうどいいです。500mlのパックなら、大さじ1杯程度ですね。

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今回は、500mlのヨーグルトを2パック用意。ひとつは塩のみ、もうひとつには、戸棚に眠っていた米ぬかを混ぜてみました。米ぬかバージョンは、よりぬか漬けに近い風味になるのではとの期待をこめて。まだちょっと、ぬか床くんに未練が残っていたのでしょうね。

■ 記者、計算を間違う!

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当初の計画では、ヨーグルトの容器にそのままお野菜を入れるはずでしたが、用意したお野菜が大量すぎました。漬け野菜だけでもヨーグルト容器の容量を軽く超えていたのです。見ればわかりそうなものだったのですが、つかの間の恋を貪欲にむさぼろうと欲張りすぎたわたしは、盲目になっていたのでした。

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そこで、お野菜と塩ヨーグルトをジップロックに移し変えました。移し変えると、さらに余裕ができたので、またぎっちりとお野菜を詰め込みます。

ぱんぱんになったジップロックを、室温なら半日程度、冷蔵庫なら1日~2日程度寝かせれば、塩ヨーグルト漬けの完成です!

■ できた!

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寝かせた塩ヨーグルト床は、お野菜から水分が出て、シャビシャビになっています。それをザアッとざるに空けて、ささっと水洗いすると、つやつやぴかぴかの塩ヨーグルト漬けが現れます! そうそう、残った塩ヨーグルト汁を水切りすると、塩ヨーグルトもホエーも残さず料理に使えます。ざるに空けるときは、下にボウルを置いて、流してしまわないようにしてくださいね。

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できあがった塩ヨーグルト漬けは、ほのかな酸味がぬか漬けそっくり! 若干ミルクっぽい香りがしますが、お漬物としての違和感は全くありません。米ぬかを混ぜ込んだほうは、ぬかの風味が加わって、さらにおいしく仕上がっていました

■ 最後まで味わいつくそう

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さて、余った塩ヨーグルト汁ですが、クッキングペーパーで水切りをして一晩置くと、絹ごし豆腐のような塩ヨーグルトと、塩気のあるホエーに分かれます。

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こちらの塩ヨーグルト、タルタルソースのベースにしたり、ポテトサラダに混ぜたりと、使い方は様々。堅めに水切りするとカッテージチーズのようなので、そのまま食べてもばっちり酒の肴になります。クミンシードを混ぜると、お酒のすすみかたにさらに加速がつくので注意が必要なくらいです。

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トースターで焼くと、モッツアレラチーズのような新しい食感で楽しい!

ホエーは野菜の水分が混じっているので、2パック分から500mlほどとれました。半分を使ってベーグルを焼き、残りの半分でチキンカレーを作って、一滴残らず味わいつくしました。なんて無駄がないんでしょう!

漬け込むときにハーブソルトを使ったり、カレー粉を入れたりしてもきっと美味、ヨーグルト床くんのポテンシャルの高さはまだまだ未知数。ぬか床くんよりも、使い倒す達成感のあるヨーグルト床くん。彼さえいれば、今年の夏も、飲酒力を高く保ったまま乗り切ることができそうです。

執筆=綾部 綾 (c)Pouch

▼ 今日もお酒がおいしいな!
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