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「石を食べることができる、ですって? またまたご冗談を」とお思いの、そこのあなた。そうです冗談です。石なんか食べたら歯が折れるので絶対に食べないでください。

じゃあ、なんで「食べられる石」なんてタイトルをつけたのかというと、「食べられる石」と名づけられた、お砂糖と寒天さえあれば作れる簡単お菓子がツイッターで話題沸騰中だからです。

ということで! 記者(私)も実際に「食べられる石」を作ってみました! 結論からいいますと、「食べられる石」はタネさえ作れば「できたて」と「冷凍後」と「数日放置後」で3つの味と食感を楽しむことができる激ウマ美麗お菓子なのです!!

【前置き(重要)】

先にネタばらしをしちゃいますが、「食べられる石」の正式名称は「琥珀糖(こはくとう)」、日本の伝統的な和菓子だそうです。

今回は、「食べられる石」の名づけ親でもあるツイート主さんが公開なさった「琥珀糖(食べられる石)」のレシピを参考にしつつ、どんな「食べられる石」が美味しいのかについての実験もしてみました。

【「食べられる石」の作り方:ベース編】

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1. 糸寒天5g(※)を半日から一日、水に浸けます。

「半日から1日って時間かかりすぎィ!」と思われた方は、水に浸す必要のない粉寒天でも問題ないそうなので、粉寒天にしましょう。ただ、糸寒天の方が透明感が出るようです。

(※)記者は今回、分量を全て2倍にして作りました。なので、糸寒天は10g使用しています。

2. 糸寒天の水気を切って、水200㏄(※)と一緒に鍋に入れ、中弱火で完全に煮溶かします。

3. 2の液をザルなどで濾しながら別の鍋に移し、グラニュー糖350g(※)を入れ煮溶かす。泡が立ち、糸が引くようになるまで。

(※)記者は今回、分量を全て2倍に(中略)なので水は400cc、グラニュー糖は700g(以下略)

【「食べられる石」の作り方:応用編】

4. 好きなジュースなどを牛乳パックの空き箱にスプーン1杯分ほど入れ、3の液をそそぐ。

ここからが(ある意味)本編です。“好きなジュースなど”ということは、おそらく、飲んでも大丈夫な液体なら何でもいいはず!

ということで、記者が用意したのは―――

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カシスのリキュール、桃、赤ぶどう(コンコード)、白ぶどう(ナイアガラ)のジュース各1本、そして、記者が大好きな「淡麗グリーンラベル」の計5つ。

……ちなみに、ジュースを3本買った理由は「青色がほしいんだけど、青いジュースが見つからないから、缶が不透明で中(ジュース)の色が確認できないコイツらに願いを託すしかない」と思ったからです。

しかし、その願いは叶いませんでした。

「青色がないなら薄い緑色だ!」と思いマスカットジュースの缶を開けたところ、中の色は濁った黄色。

「薄い緑色がないなら薄い桃色だ!」と思い桃ジュースの缶を開けたところ、中の色は濁った白色。

絶望したのでジュース3本すべてまぜたら――

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なんとか、薄い桃色にはなりました。一応願いは叶いました。火事場の馬鹿力、備えあれば憂いなし、というやつでしょう。

【そろそろ佳境です!】

5. 冷蔵庫に入れ、じゅうぶん固まったら、容器から出して切る。

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結構すぐ固まります。カシスリキュールは濃い紫色、ブレンドジュースは薄い桃色、淡麗グリーンラベルは琥珀色になりました。

「なりました」といっても、固まる前と後で色の変化があるのかどうかといえば、ほぼないです。

【「食べられる石」応用編:そのまま食べる】

大量の砂糖のせいなのかはわかりませんが、切るには結構チカラが要ります。……が!
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できたての「食べられる石」は透明感があってメチャメチャきれい!! 食べてみたところ、砂糖が大量に入っているのでクチャクチャした噛み心地かと思いきや、意外とプリプリつるつる。

カシスはアルコールが消えてしまったけれど香りはしっかり残り、ブレンドジュースも果実のフレッシュ感が残っています。

淡麗入りは苦みとアルコール臭さが残るのでは……と思っていましたが、カシス同様アルコール臭は残らず、さらに苦みも消え、爽やかな甘みだけが口いっぱいに広がりました。

「できたて」に共通するのは、意外とあっさりしていて後味がよいこと。そして、噛んだらほどけていく感触も楽しいこと。これはこれで完成しているようにも思えることが挙げられます。

【「食べられる石」応用編:凍らせる】

「××(食べ物)を凍らせると美味い!」が流行っているようなので、「食べられる石」も凍らせてみました。
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凍った「食べられる石」は、夏に給食で出てきた半解凍状のゼリー、まさしくそれ。キーンと冷えた、むっちりした中に(水分が凍った)サクサク感がまじる噛みごたえが楽しいです。

和菓子的な甘さが抑えられ、洋菓子のような食感と味わいがあります。……ただ、凍らせると、せっかくの透明なゼリーが白濁するので、見た目が少しもったいないな、と感じるのが正直なところ。

【「食べられる石」最終編:数日間放置】

「食べられる石(琥珀糖)」は、本来、3日~5日ほど風通しのよい場所で寝かせるものらしいです。

「できたて」を食べた記者は「“石”って例えは、ダイヤモンドみたいにカットの仕方でキレイに見えるから、って理由で付けたかな?」と、その直後は思いました。……が! 数日間寝かせた「食べられる石」を見たところ――

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“石”の表面で砂糖が結晶化し、触ると本当に石みたいなザラザラした手触り! 見た目も「できたて」のプルプル感はなくなり、ガチガチ感に変化している!

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食べてみたところ、外側のシャリッとした砂糖コーティングが内部のゼリーと見事な食感の対比を生んでいて、とてもとても心地よいです。くにゃッ&シャリッ! ゼリー感はさほど変わらないけれど、砂糖のシャリシャリのおかげで食感にも味にも絶妙なアクセントが生まれて、まるで極上質の和菓子のよう!

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砂糖の結晶とゼリーの色の対比もすごくキレイ!!

【「食べられる石」まとめ】

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この「食べられる石」、いろいろと試した結果、やはり一番美味しかったのは「数日間放置」したものでした。ほかの2つと比べ、圧倒的に、お菓子としての完成度が高いと感じたのが理由です。

「食べられる石(=琥珀糖)」は、できたてを食べても美味しいのですが、「数日間放置」が伝統となっている理由……古くからの「伝え」が残っている理由がわかる一品です。

“タネ”は簡単に作れるので、みなさまもゼヒお試しを!

■手順参考:幽ユウ(Twitter)

調理・執筆・撮影=シマヅ (c)Pouch
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▼「食べられる石」

▼作り方

▼砂糖が結晶に!

▼う

▼うまい!!

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