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以前、セーラーマーズのコスプレイヤーとしてPouchでご紹介させていただいたオデラ・イーボウクエ(Odera Igbokwe)さん。イラストレーターとしても活躍する彼に、突撃インタビューしちゃいましたっ。

その揺るぎなきセーラームーン愛はどこから来るの? 「アフリカ女性版 セーラー戦士たち」を描き始めたきっかけは? オデラさんが熱〜い思いを語ってくださいました!

【日本のエンターテインメントに触れて育った幼少時代】

セーラームーンの大ファンであることはもう、言わずもがなのオデラさん。ほかにも日本人アーティストの音楽や日本のゲーム、アニメ、マンガなど、様々なものに影響を受けて育ったそう。

「僕はたくさんの日本のエンターテインメントに触れて育ったから、それが作品にも影響してるんだ。ゲームなら、ファイナルファンタジーシリーズや塊魂、大神とか。天野喜孝さんのイラストにはすごくインスピレーションをもらってる。アニメは、セーラームーンはもちろんだけど、デジモンやまどか☆マギカ、ジブリ作品も大好きだよ」

「大学ではアフリカンダンスやムーブメントシアターの勉強をしていたから、日本の音楽やダンスにも夢中になった。ゲーム「キングダムハーツ」のテーマソングを歌っていたことで宇多田ヒカルを知って、そこから安室奈美恵や倖田來未の音楽も聴くようになったんだ。SAKURAドロップスのPVの虜になっちゃって、何枚も静止画を撮ってそれを参考にイラストの練習をしたりね」

【オデラさんにとっての ”セーラームーン” とは】

オデラさんはセーラームーンに限らず、実に幅広い「日本のエンターテインメント通」であることがわかります。では、何がきっかけでセーラームーンにフィーチャーした作品を?

「大学卒業間近になって、スランプになってしまって。描けないし、気楽な学生から現実世界に出なければ行けないという変化の時期も辛かった。だからちょっと自分に活を入れるためにも、何かシリーズとして続けていけるようなプロジェクトをやろうとしたんだ。その頃ちょうど『美少女戦士セーラームーン Crystal』の情報が解禁になった」

「世界中のwebを巡ってセーラームーンのファンアートを見ているうちね、思い出したんだ。自分にとって、どれだけセーラームーンが大切なものだったかを。正義、使命、愛の力、友情、女性同士の信頼関係。そういうものの美しさを、幼い頃の僕に教えてくれたのがセーラームーンだった」

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「で、最初は普通にセーラーマーキュリーを描いたんだけど、全然気に入らなくて。そうじゃない、僕がもしセーラームーンの世界を支配できるとしたら、どんな世界観にするだろうかって……みんなインターナショナルスクールに通っていて、世界中からセーラー戦士が集うような。そういうことを考えて行き着いたのが、ハイファッションに身を包んだ黒人女性たち。いまの僕の作品なんだ」

【作品に込めた”セーラー戦士”への思い】

「セーラームーンには、様々なタイプの女性キャラクターが出てくる。これが僕にとってはすごく印象的なことなんだ。女性キャラというのはたいてい、男だらけの中の紅一点という扱いをされがちだけど、僕はこれは非常に危険なことだと思ってる。『女性とはこうあるべき』という固定観念や、そのたった一人がすべての女性を代弁しているかのような錯覚を与えるから」

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「セーラームーンはあくまでも女性が中心だよね。登場する女性たちにはみな異なった物語があり、際立った個性があって、それぞれが本当に美しい。僕の描くセーラームーンでは、そのアイデアを一歩先へ進めて、アフリカ民族の女性を称えるものにしたかった」

「『黒人女性』と言ってもそれぞれに違った肌の色があり、身体つきがあり、個性があり、能力や技術がある……もちろん、プラネット・パワーもさまざまさ。そうしてみんな違うにも関わらず、それぞれが確かな、大切な力を持っている。信じるもののために力を合わせて、一丸となって戦うことだってできる。それが僕の作品として生まれたセーラー戦士たちなんだ」

――セーラームーンを女性賛歌として受け止め、それを作品に昇華してきたオデラさん。その視点は記者にとってかなり予想外でしたが、同時にとても嬉しいものでした。これからも女性が自分らしくあることを称える作品を(そしてときどきは、あの神がかったコスプレも)披露してくださるのを楽しみにしております!

参照元: Odera Igbokwe
Photo:Odera Igbokwe, used with permission
執筆=森本マリ (c)Pouch

▼大胆にアレンジされたコスチュームも素晴らしい

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